1. TOP
  2. 相続対策
  3. 相続放棄をするときの注意点は?

相続放棄をするときの注意点は?

 2017/06/01 相続対策 遺産分割でお悩みの方へ
この記事は約 8 分で読めます。

相続というとプラスの財産ばかりに気が向きがちですが、被相続人がした借金やローンなどのマイナスの財産も相続財産に含まれます。

その為被相続人の財産が自宅や現金などのプラスの財産よりも、借金や連帯保証債務がある場合には相続放棄という選択肢をとることが多いです。

 

一言に相続といっても

  • プラスの財産マイナスの財産関わらず全ての財産を相続する単純承認
  • プラスの財産もマイナスの財産もどちらも相続しない相続放棄
  • プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する限定承認

という3つの選択肢があります。

 

多くは単純承認で、借金などが多い場合は相続放棄が選択されることが多く、限定承認は手続きが煩雑で選択するケースはあまりありません。

その為「多額の借金がありそう…」という場合にはプラスの財産は諦めて相続放棄を選択する場合がほとんどです。

相続放棄というと遺産分割協議で「私は財産はいらないよ」と宣言するだけだと思っている方が多いのですが、これではマイナスの財産は相続してしまいます。

また遺産分割協議は提出期限は設けられていませんが、相続放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に申し出る必要があります。

 

このような相続放棄の勘違いをそのままにしておくと、預金などの財産を相続せずに借金だけ相続することになったり、相続放棄そのものができないという状況になる危険性もあります。

そこで今回は、どうすれば相続放棄が出来るのか、相続放棄する上での注意点を紹介します。

 

 

相続放棄は裁判所へ

相続放棄に「遺産分割協議で『財産はいらない』と宣言する」というイメージを持っている方も多いのですが、これは相続放棄ではありません。

相続財産が現金や不動産などのプラスの財産だけであれば問題はないのですが、借金などのマイナスの財産は遺産分割協議で宣言しただけでは相続してしまうのです。

マイナスの財産を含めて相続しないようにするためには、家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出しなければなりません。

 

相続放棄の申し出をして相続放棄となるのは申し出をした本人のみなので、法定相続人全員が相続放棄をする場合には全員が申述書を提出する必要があります。

また相続放棄の申し出は個人で行うものなので、他の相続人の許可は必要なく独断で行うことが出来ます。

とはいえ相続放棄をする場合は他の相続人と一緒に行わなければトラブルになってしまうケースが多いので、他の相続人に何も言わずに相続放棄をするというのは避けたほうがいいでしょう。

 

 

相続放棄には期限がある

相続放棄をする場合、相続人が「相続の開始があったことを知ってから3ヶ月以内」に行う必要があります。

この3ヶ月の期間を過ぎると単純承認とみなされてしまい、相続放棄が出来なくなります。

単純承認は被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も全て相続することになるので、相続放棄をしようと考える場合は3ヶ月以内に行うようにしましょう。

 

相続人
父が亡くなったことを3ヶ月過ぎてから知ったんだけど、もう相続放棄は出来ないの?

海外や疎遠であった家族、「実はあなたは被相続人の隠し子だったの…」というように後になってから血縁関係が分かった場合などは、亡くなってから時間が経ってから相続があったことを知るでしょう。

そのようなときに「相続放棄できないのか」と思うかもしれませんが、問題なく相続放棄をすることが出来ます。

これは、相続放棄の期限が亡くなった日からではなく「相続の開始があったことを知ってから」だからです。

その為たとえ亡くなったのが3ヶ月以上前であっても、「実はあなたは相続人だった」などということを手紙などで知った日から3ヶ月以内に相続放棄の申し出を裁判所にすればいいのです。

 

 

被相続人の財産を使うと相続放棄が出来ない

もしも相続放棄を考えているのであれば、被相続人の財産には手をつけてはいけません。

もしも手をつけてしまうと、相続するものとみなされてしまい相続放棄が出来なくなってしまうのです。

なお一度は単純承認で相続をしていたとしても、その後になって巨額の借金が見つかった場合、専門家に相談し相続放棄ができた判例も存在します。

悪質な金融業者の中にはしばらく期間を置いてから返済の催促をするケースもありますし、被相続人が誰かの連帯保証人となっている場合、その借金をした誰かが返済を続けている場合通知はありません。

 

ある日突然「金融機関から1億の借金の連帯保証人になっていたから、返済をしてください」という連絡が来る可能性もあるのです。

可能であれば、自分が相続人となる可能性のある「両親、配偶者、子供、兄弟姉妹」が誰かの借金の連帯保証人になっていないかの確認をし、万が一自分が連帯保証人となる場合にはそのことが分かる書類を残しておき、誰かに伝えておいた方がいいでしょう。

相続をしてから債務に気が付いた場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談をするようにしましょう。

このとき、あまり相続に力を入れていない専門家に依頼をすると「原則としては相続放棄ができないから」などと言われてしまうこともあるので、相続に詳しい専門家に依頼するようにしましょう。

相続サロンでは相続に強い弁護士や司法書士とも連携をしています。

 

 

順位が下の相続人への連絡

相続放棄をした場合、そこで相続が途切れるのではなく次の順位の法定相続人が相続人となります。

法定相続人といっても順位が存在し

  • 子供がいるなら子供と配偶者が相続人
  • 子供がいないなら両親(いなければ祖父母)と配偶者
  • 子供も両親・祖父母もいなければ配偶者と兄弟姉妹

といったように状況によって相続人が誰になるかは変わってきます。

 

本来であれば「息子には子供がいるから私が相続人にはならないだろう」というように、自分が相続人となるかどうかはある程度判断ができます。

しかし相続放棄により下の順位の法定相続人が相続人となった場合、その下の順位の法定相続人は誰かから言われない限り自分が相続人となったことを知ることができません。

そして、相続放棄によって知らない内に相続人になることでトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。

相続放棄自体は個人で裁判所に申し出ればよいのですが、何も言わずに自分だけ相続放棄をするとトラブルの元になりかねないのです。

「被相続人に多額の借金がある」などの状況で相続放棄が行われる場合、他の相続人や、順位が下の法定相続人に事前に報告をした方がいいでしょう。

 

 

生命保険金は受け取れる

相続放棄をする場合でも、その相続人が受取人となる生命保険金であれば受け取ることができます。

生命保険金はみなし相続財産として相続税の課税対象ではありますが、民法上は「受取人固有の財産」であり相続財産には含まれていません。

その為相続放棄をしていたとしても受取人が相続放棄をした相続人になっているのであれば、ただ自分の財産を受け取っているだけになります。

 

相続放棄は被相続人の財産を相続しないことになるだけなので、自分の財産である生命保険金は受け取ることができるのです。

保険金を受け取る際に注意していただきたいのが、「受取人が誰になっているか」ということです。

もしも受取人が被相続人本人となっている場合はその生命保険金は被相続人固有の財産、つまりは相続財産に含まれます。

その生命保険金を受け取ってしまったのであれば、単純承認となってしまい相続放棄をするつもりが単純承認になってしまったということになってしまいます。

 

 

相続人が連帯保証人になっている場合…

通常マイナスの財産も相続放棄をすることで相続しなくて済むのですが、相続放棄をする相続人が被相続人の連帯保証人となっている場合、その債務については放棄できません。

連帯保証人は、債務者が返済できなくなった債務を引き継ぐ義務があります。

もし被相続人が借金をして、あなたがその連帯保証人となっている場合、法定相続人全員が相続放棄をしてもあなたには返済義務があります。

連帯保証人の責任は大きいので、注意しましょう。

 

 

相続放棄は被相続人の財産に借金が多い場合は有効な手段ですが、相続財産を使ってしまった後に相続放棄をしようとしたり遺産分割協議で「相続しない」と宣言するだけであるなど、相続放棄について勘違いをされている方は少なくありません。

あなた自身は理解していても、「そんなことはない!」と話を聞いてもらえないこともあります。

そのようなときに、その話を聞いてくれない人と一緒に相続サロンなどの相続についての相談が出来るところで話を聞いてみるのはいかがでしょうか?

 

周囲の人からの話は聞かない人でも、専門知識を持つ第三者からの話であれば聞いてくれるという人も多くいるので解決策となる可能性は十分にあります。

相続開始前であれば相続の対策として出来ることがあるかもしれませんし、現状に対しての適切な対応を提案することが出来ます。

相続サロン多摩相談センターには日本相続コンサルティング協会の公認相続コンサルタントの資格を持つ相続の専門家が在籍していますので、相続について何か疑問に思うこと、不安に感じることがあれば是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

この記事のタイトルとURLをコピーする

\ SNSでシェアしよう! /

家族信託と不動産相続naviの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

家族信託と不動産相続naviの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

古谷

この人が書いた記事  記事一覧

  • 今の相続対策はダメになるかも!?民法の相続分野が40年ぶりの大改正!これからの相続に必要なポイントは?

  • NHKあさイチでも話題!親が認知症になる前に家族信託を相談したいけど、誰に相談すればよい?

  • 実家が売却できなくなる?アルツハイマー病の症状とは?

  • 老老介護の問題点と認認介護の危険性

関連記事

  • 不動産の贈与をするときは「不動産だけ」を贈与してはいけない!

  • 空き家になった実家を売却しようか迷ったときに知るべき知識

  • その妻や子供名義の通帳、あなたの財産とされてしまうかもしれませんよ?

  • 大雑把にでも相続税の課税対象になるかを計算しませんか?

  • 特別受益?寄与分? 法定相続分で分割しようといったら揉めてしまった・・・

  • メリットだけではなくデメリットも。家族信託が万能な制度だと思ってはいけない?