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生命保険がどうして相続対策になるのか疑問に感じていませんか?

 2017/05/23 生命保険 相続対策 遺産分割でお悩みの方へ
この記事は約 8 分で読めます。

人によっては、生命保険のセールスマンに「相続対策になるので、生命保険の加入はいかがですか?」と言われたことがあるでしょう。

しかしセールスの方に「こうですよ」と言われて、「そうなんですね」とそのまま頷いてしまう方は早々いません。

「本当に対策になるのかなぁ」「怪しいなぁ」と疑ってしまうのではないでしょうか。

 

生命保険は相続税の課税対象にはなってしまいますが非課税枠が存在し、受取人固有の財産という扱いなので、相続対策として活用することが出来ます。

しかしネット上で書かれている相続対策の中には、「これは本当に対策として有効なのだろうか?」というものもあります。

そこで今回は、生命保険が相続対策として活用できる点、この相続対策はどうなのだろうかというものを紹介していきます。

 

 

生命保険は相続税対策に有効

生命保険が相続対策として有効な点としては

  • 相続税の非課税枠
  • 生命保険金は受取人固有の財産
  • 相続放棄をしても受け取れる
  • 遺留分は原則として侵害しない

といったことが挙げられます。

 

 

相続税の非課税枠

生命保険金は、契約者と被保険者が被相続人(亡くなった方)で、保険金受取人が相続人の場合は相続税が課税されます。

このとき生命保険金には相続税の非課税枠があるので、相続税の基礎控除額を超えてしまう財産を持っている方の中には「財産の一部で一時払い終身保険(保険料を一括払いする保険)に加入」をすることで、納税額を0円にする、減額できるという節税効果が期待できるのです。

なお、契約者と被保険者、保険金受取人が全て異なる場合は贈与税、契約者と保険金受取人が同じ場合は所得税と住民税の課税対象となるので、注意しましょう。

 

 

生命保険金は受取人固有の財産

生命保険金は被相続人の死亡が原因で受け取るお金であり、みなし相続財産として相続税の課税対象です。

しかし受取人固有の財産なので、遺産分割協議の対象外になります。

その為「この人に財産を遺したい」という人を受取人とした生命保険に加入すれば遺産分割協議の対象とされずに財産を渡すことが出来ます。

遺言でも同じように財産を指定することは出来るのですが、遺言の場合には遺言無効確認請求訴訟という「その遺言は無効だ!」、「私の遺留分を侵害している!」と遺留分減殺請求といった裁判所などに訴えられたときに相続財産は未分割、共有財産といった思ったとおりに渡せない可能性が出てきます。

 

生命保険であればそのような訴訟をされた場合でも、受取人固有の財産として自由に使えるお金を作ることが出来るのです。

遺産分割で揉めてしまう場合でも葬儀などの費用、長引く期間によって仮の分割内容で納税する必要があります。

「争うかもしれないけど、遺言は書きたくないし書いて欲しくない」というようなケースでも、生命保険は加入しておいたほうがいいかもしれません。

 

 

相続放棄をしても受け取れる

生命保険金は受取人固有の財産です。

その為例え相続放棄をしていたとしても、相続放棄をした相続人が受取人となっているのであれば生命保険金を受け取ることが出来ます。

その為被相続人が生命保険に加入しているが、債務過多で相続放棄しなければ借金で生活できなくなるような場合でも、相続放棄をして債務を相続しないようにした上で生命保険を受け取ることが出来ます。

このときもしも保険金の受取人が被相続人本人である場合は相続財産となってしまい、保険金を受け取って使ってしまうと相続放棄が出来なくなってしまうので、契約内容はしっかりと確認するようにしましょう。

 

 

遺留分は原則として侵害しない

被相続人の兄弟姉妹以外の相続人には、民法で保証された最低限の相続分である遺留分があります。

例えば遺言で「私の財産は全て長男に相続させる」と書いたとしても、次男や長女などの別の相続人が遺留分を請求した場合は、侵害した分の相続財産は相続されてしまうのです。

もし相続財産があまり多くない状態で生命保険金がある場合、生命保険の受取人となっていない相続人からすると遺留分を侵害されているように感じてしまいますが、原則としては遺留分減殺請求をしても認められないでしょう。

 

「生命保険で遺留分が侵害されないのなら、可能な限り全ての財産で生命保険に加入すれば財産を渡したくない相手に財産を渡さなくて済むかな?」

こうなると遺留分を完全に無視した相続が可能になるように思えてしまいますが、到底容認できないほど著しく相続人同士の間で不公平になってしまっていると判断されてしまう場合、生命保険金が特別受益と判断されてしまい「生命保険金を含めた相続財産」で遺留分を計算してしまいます。

その為遺留分を完全に無視した、「こいつには財産を絶対に渡したくない!」という相続は生命保険を活用しても難しいでしょう。

 

 

年齢によっては効果のない生命保険金での代償分割

生命保険のセールスマンに、生命保険金で代償分割の備えをしませんかということを提案された人は少なくないでしょう。

代償分割は「相続財産のほとんどが不動産などの分けられない財産のとき、分けられない財産を相続した人が自分の財産から他の相続人に差額の相続分の現金を渡す」という方法です。

この方法であれば相続人同士での不平等は少なく済みますが、不動産などを相続した相続人が他の相続人に渡せるだけの現金がなければなりません。

 

遺産分割の方法として代償分割の他に現物分割と換価分割があります。

相続財産が自宅と現金が少々で、相続人は子供A・B・Cの3人であるとします。

現物分割は「Aが自宅、BとCは現金を2人で半分ずつ」というような、相続財産そのままの状態で分けることをいいます。

今回の例のようにAとB・Cの間で相続分に不平等が生じてしまうことが多いので、代償分割としてAがBとCに差額の現金を渡すようになることもあります。

 

換価分割は「自宅を売却し現金にして、A・B・Cで均等に分割する」というような、分割できない財産を現金化して、分割できるようにしてから遺産分割を行う手法です。

現金化して分割するので、平等かつ不動産を相続する人物に現金がなくても採用することが出来ます。

しかし自宅のような相続人の思い出が詰まった財産を売却することに反対意見が出る、売却に時間がかかったり諸経費がかさんでしまうなどのデメリットもあるので代償分割が出来るのであればそっちにしたいということが多いです。

その代償分割で不動産などを相続した人が支払うことになる代償交付金を、生命保険金でまかなおうというものです。

しかしこの方法は、早い段階から準備をしなければあまり意味のないものになってしまうのです。

 

70代以降のような、高齢になってから生命保険に加入する場合、保険料は高額になっていきます。

そして保険料を分割で支払う場合には、ほとんどの場合支払われる保険金よりも払い込む保険料の方が高額になってしまうのです。

例えば70歳から10年払いで1,000万円の保険に加入しようとする場合、保険料の総額は1,100万円を超えてしまうこともあります。

その為高齢になってから保険に加入する場合には多くの場合一時払い終身保険になるのですが、それでも1,000万円の保険に999万9千円の保険料を支払うことになります。

 

つまり、「父親の相続対策で生命保険に加入しよう」という場合には、現在所有している財産を生命保険という形に変えるだけということになります。

相続税の非課税枠を活用する、誰かに遺産分割中でも使える形で財産を遺したいという場合にはもちろん高齢になってからの加入でも相続対策の効果はあります。

しかし代償分割の代償交付金の為の生命保険の加入となると、効果があるとは言えないでしょう。

「生命保険に加入した分相続財産の現金が減ってしまい、これが原因で現物分割では不平等になってしまっているだけかもしれない…」という、対策として自分から代償分割でなければ不平等になってしまう状況にしてしまっている可能性すらあります。

 

生命保険での代償交付金は、あなたのお父様の相続対策というよりも、あなたが現時点から生命保険に加入することで対策となるものなのです。

お父様の相続対策を考える流れで、あなた自身の相続についても考えてみてはいかがでしょうか?

相続サロン多摩相談センターは、家族信託普及協会の家族信託コーディネーター、日本相続コンサルティング協会の公認相続コンサルタントの資格を持つ、近年認知度が増え始めた家族信託を含めた相続対策の提案が出来る専門家が在籍しています。

宅地建物取引士の資格を持つ不動産の専門家でもありますので、不動産の関わる相続に強い相続の専門家となります。

相続についての相談がございましたら、是非相続サロン多摩相談センターにご相談ください。

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