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生命保険金を活用した遺産分割を考えるあなたに気をつけてほしいこと

 2017/05/22 生命保険 相続対策 遺産分割でお悩みの方へ
この記事は約 9 分で読めます。

生命保険は相続対策として活用することを勧められることは多いでしょう。

実際に生命保険金には法定相続人の数×500万円の非課税限度額があるので、生命保険を活用することで現金をそのまま持っているよりも相続税を抑えることができます。

また保険金は遺産分割協議の対象外となるので、遺産分割協議が長引いて相続財産が凍結されてしまった状態が長引いてしまっても生命保険金は凍結されませんし、渡したい相手の財産とすることが出来ます。

 

被相続人(亡くなった方)の死亡が原因として受け取るお金ということで相続税の課税財産ではありますが、相続財産ではないので相続放棄をしても生命保険金は受け取ることが出来ます。

このような生命保険を活用した相続対策の中で、「遺産分割で生命保険金を活用して代償分割をしよう」というものがあるのですが、これについては注意が必要です。

これは相続財産のほとんどが不動産などで分割が難しく共有財産になってしまいそうな場合に、不動産をあなたが相続するかわりに別の相続人に現金を渡して平等に分割する「代償分割」の費用を生命保険金から出せるようにするというものです。

 

財産が自宅と少しの預金であったり賃貸物件オーナーの相続の際に

平等に分割したいけど自宅を手放したくない
安定した収益が入ってきているのに、相続のためだけにアパートを売却するのは…

というような、平等に分割したいのに分割することが出来ないような場合に、保険金を活用して解決しようというものなのですが、この方法には少々問題があるのです。

今回は、この代償分割の費用を生命保険金でまかなおうとすることの難しさを紹介します。

 

 

生命保険は相続対策として有効

保険の勧誘
相続対策になるので、生命保険に加入しませんか?

人によっては、相続対策として生命保険への加入を勧められたことがある人はいるでしょう。

勧誘でそのようなことを言われると「本当かなぁ…」と疑問に感じてしまうと思いますが、相続対策として活用できることは事実です。

生命保険金は被相続人の死亡を原因として受け取る受取人固有の財産ですので、遺産分割の対象外となります。

 

保険の基礎
生命保険を契約する際、契約者、被保険者、保険金受取人が必要になります。

契約者は契約上の権利と保険料の支払い義務を有する契約の締結人、被保険者は契約した保険の対象者、保険金受取人は保険事故(被保険者の死亡等保険金が発生する事項が発生した場合)保険金を受け取る人物です。

  • 契約者と被保険者が同じで保険金受取人が相続人の場合は相続税
  • 契約者と被保険者、保険金受取人が全て異なる場合は贈与税
  • 契約者と保険金受取人が同一人物の場合は所得税住民税

というように、契約者、被保険者、保険金受取人が誰になっているかでかかる税金が変わってきてしまうので注意が必要です。

遺産分割の対象外ではありますが、加入している状況によってはみなし相続財産として相続税の、又は所得税の課税対象となるので注意しましょう。

相続税の課税対象となったときに、「法定相続人×500万円」の非課税枠があるので、財産の一部で生命保険に加入することで、相続税の節税となります。

また遺産分割の対象外となるということで、通常相続財産は遺産分割協議が終わらない限り凍結されてしまうのですが生命保険金に関しては凍結されません。

その為葬儀費用などの費用として生命保険金を利用すれば、スムーズに葬儀等の費用を支払うことが出来るのです。

 

被相続人の葬儀の喪主となる人物を受取人として指定して生命保険に加入しておけば、争族に発展したり相続人に行方不明者がいるなどで遺産分割が長引いたとしても、葬儀費用や仮の納税資金は確保することが出来ます。

また受取人固有の財産である以上相続放棄しても生命保険金は受け取れます。

このように、相続対策として生命保険を活用することは出来ます。

 

 

遺産分割の方法は3つ

被相続人が遺言を書かれていない場合、相続財産は相続人同士で誰がどの相続財産を相続するかを決める遺産分割協議で遺産分割を行います。

このときに、遺産分割の方法としては

  • 不動産や現金などの財産をそのまま分割する現物分割
  • 不動産などの分割出来ない財産を売却し現金に変えて分割する換価分割
  • 相続人1人が不動産など分割出来ない財産を相続し、他の相続人に相続分の差額の現金を渡す代償分割

相続人全員の共有財産として全員で相続するという手もなくはないのですが、売却やリフォーム等を行う際全員の合意が必要になるなどのデメリットが大きいので相続について専門家に相談した場合10人に相談したら8~9人は止めた方がいい」と言うでしょう。

 

この中で、代償分割の対策として生命保険を活用する方法がよく言われています。

代償分割は被相続人の財産をそのまま残せて、かつ全員が平等に相続できる優秀な分割方法ですが、相続した財産のかわりに捻出しなければならない代償交付金の捻出が問題となります。

この代償交付金を捻出する方法として、「生命保険金を代償交付金にするといいですよ」としているのです。

しかし代償交付金のために高齢になった方が新しく生命保険に加入するというのは、相続対策としてはあまり適切といえない場合が多いのです。

 

 

生命保険金で代償交付金を補うということは

代償分割自体は有用な遺産分割の方法ですし、生命保険は相続対策として優秀な存在です。

しかし代償分割の費用として生命保険に加入することを考える場合、その費用はどこから出てくるのでしょうか?

高齢になったから相続対策として生命保険に加入する場合、保険料を1度でまとめて支払う「一時払い終身保険」や分割でもあまり回数を多くせず短期間で払い込めるようにする方がほとんどです。

 

これはあまり回数を多くしてしまうと「死亡時1,000万円支払われる保険に1,100万円の保険料で加入した」というような、支払われる保険金よりも保険料の方が高くなってしまうからです。

一括で支払った場合にしても「死亡時1,000万円支払われる保険の保険料が990万円」というような、支払った保険料と支払われる保険金の金額がほとんど変わらないでしょう。

その為相続対策として生命保険に加入するのは、保険料を短期間で支払える現金が存在する方ということになるでしょう。

その為、代償交付金のために生命保険を加入(保険料を支払う能力がある)する方の場合、「そもそもこの生命保険の加入が必要なのか?」という問題が出てきます。

 

一括で支払ったとしても保険料と保険金にあまり差がない、分割で支払う場合保険料の方が高くなるというものである以上、保険に加入する分のお金をそのまま貯金したままであれば、代償分割をしなくても法定相続分での分割に苦労することは少ないのではないでしょうか?

例えば目的が生命保険金の非課税枠の活用であり、その結果相続財産が不動産ばかりになり代償分割する必要が出てきたというような、別の理由で生命保険に加入したいと考えて「結果的に代償分割も考えた保険にしよう」ということであれば「生命保険金を代償交付金にする」という手は有効となるでしょう。

しかし、高齢になってから代償分割のために生命保険に加入するというのは、自分からあえて代償分割するしかない状況にするようなものになってしまう危険性があるのです。

 

 

もしも代償分割を生命保険金から出そうという場合、早い内に保険に加入する必要があります。

70歳から1,000万円10年払いの終身保険に加入すると支払う保険料は1,000万円を超えてしまう保険会社がほとんどですが、60歳の段階で同じ条件の保険に加入した場合は1,000万円未満の保険料で済ませられる会社が出てきます。

より若い段階で加入すれば、1,000万円未満で加入できる会社はどんどん増えていくでしょう。

あなたはご両親の相続について調べる過程でこの記事を読んでいるかと思いますが、代償分割などの問題で生命保険を活用する場合、あなたの年齢から対策を考える必要が出てくるのです。

そしてあなたが相続対策を考える場合に、あなたの眼前には生命保険以外にも家族信託や任意後見制度、遺言などどの制度の選択肢が広がっています。

 

これら様々な制度を活用したあなたに適切な相続対策を行うのであれば、相続に造詣の深い専門家に相談した方がいいでしょう。

特に最近話題となっている家族信託については、弁護士司法書士などであっても商事信託と混同してしまうなどあまり詳しくない専門家も少なくありません。

相続サロン多摩相談センターには日本相続コンサルティング協会の公認相続コンサルタントの資格を持ち、家族信託普及協会の家族信託コーディネーターでもある相続全般の専門家が在籍しています。

両親の相続対策についても、あなたの相続対策についても、お気軽にご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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