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大雑把にでも相続税の課税対象になるかを計算しませんか?

 2017/05/02 相続対策 相続税について
この記事は約 12 分で読めます。
長男
最近相続税のかかる世帯が増えてきたって言うけど、うちは大丈夫かな…
長男
相続税なんて自分には関係ないだろう・・・

どなたかが亡くなり相続が発生したときに、相続財産が基礎控除額未満であれば相続税はかからず、税務署への申告も必要ありません。

これまで大多数の人の財産は基礎控除額未満であったので、「相続税なんて私の知り合いで払っている人なんて見たことないよ」という方も多いでしょう。

しかしそれは昔の話で、これから先の相続では相続税の申告が必要になる人が多くなってくるのです。

 

平成27年に改正された相続税法では、基礎控除額が減額になったからです。

これまでの基礎控除額が『5,000万円+〈1,000万円×法定相続人の人数〉』であったのが、改正により『3,000万円+〈600万円×法定相続人の人数〉』となりました。

法定相続人が配偶者と子供1人の計2人の場合、基礎控除額は4,200万円となり、改正前の人数に関係のない部分(5,000万円)よりも低い基礎控除額となってしまいます。

この4,200万円という数字で「父の預金がそんなに多いはずがないし、やっぱり問題ないな」と思うかもしれませんが、実家を含めるとどうでしょうか?

 

東京都内でも田舎の方であればそこまでではありませんが、都市部であれば自宅を持っているだけでも基礎控除額を超えてしまうという人は少なくはないでしょう。

実際に国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、平成27年の死亡者数(約129万人)は平成26年(約127万人)と差はあまりないにもかかわらず、平成27年の課税対象者(約10万3千人)は平成26年(約5万6千人)と比較すると8割以上増加し、平成27年中の課税割合は平成26年の4.4%からほぼ倍増した8%になっています。

更にこの数値は日本全国での割合を算出したもので、東京だけで見ると課税割合は15.7%と全国での課税割合の2倍近くになっています。

これまでが相続税と無縁であったとしても、これからも相続税と無縁でいられるかは分からないのです。

 

自分たちに相続税は関係ないと思い込み、申告をせずにいた結果税務署から連絡が…

ということも今後増えてくるかもしれませんし、そのときは本来払う相続税に追徴課税が加算されてしまうでしょう。

そこで今回は自分に相続税がどれくらいかかるかどうかを、大雑把に計算する為の方法を紹介します。

 

 

基礎控除額の算出方法

あなたの父が亡くなったとき、あなたが亡くなったときの基礎控除額を計算する為には、亡くなった方(被相続人)の法定相続人が何人いるのかを知る必要があります。

これは基礎控除額は法定相続人の人数によって異なるからです。

現在の相続法では、基礎控除額は『3,000万円+〈600万円×法定相続人の人数〉』であり、法定相続人が多ければ多いほど基礎控除額が高くなるのです。

例えばあなたに兄妹が2人いる3人兄弟で、母も健在だとします。

その場合あなたの父が亡くなった場合の法定相続人は配偶者である母と子供3人の合わせて4人となります。

つまり基礎控除額は

3,000万円+〈600万円×4人〉=5,400万円となります。

その為あなたの父が亡くなった場合、財産が5,400万円未満であれば相続税の課税対象にならず、申告も必要なくなります。

 

なお例えば子供の内の1人(以後A)が既に亡くなっていた場合、そのAに子供がいるのであれば代襲相続としてその子供が相続人となります。

Aの子供が2人いた場合、Aが取得するはずだった相続分を子供2人で分けることになりますが、相続人の人数としては2人としてカウントします。

つまりAが父よりも先に亡くなった場合、相続人は母と存命の子供2人、そして亡くなったAの子供2人の計5人に増えることになります。

法定相続人について詳しく紹介している記事がありますので、こちらもご覧になってみてください。

 父が亡くなったけど、誰がどれくらい相続することになるの?

 

 

財産がどれくらいなのかを知る

相続時の基礎控除額を推測した後は、財産がその基礎控除額より多いのか少ないのかを調べる必要があります。

預金や有価証券の価格はすぐに調べることは出来ますが、不動産の価格はそうは行きません。

国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、平成27年の相続財産の構成比は現金・預貯金等が30.7%、有価証券は14.9%と、家屋は5.3%土地は38%でその他が11%となっています。

その為相続税の課税対象となるかならないかを調べる為には、不動産の価格を知ることは必要不可欠になるでしょう。

不動産の評価額を調べるときに、とりあえず課税対象となるのかどうかの確認をしたいだけなのに不動産の鑑定など費用のかかる行為をするのは気が進みませんよね?

そのような時には、一度大体の価格を調べてみるといいでしょう。

 

財産である不動産がアパートなどの貸家の場合は固定資産税評価額に借地権、借家権をかけて算出したりしますが、持ち家であれば家屋の評価額は固定資産税評価額がそのまま家屋の評価額として使用できます。

建物が建っている宅地に関しては路線価が定められている土地の場合は路線価で調べる路線価方式、定められていない場合は固定資産税評価額に国税庁が定める倍率(地域によって異なります)をかけた倍率方式で評価額を算出します。

路線価は国税庁のHPで調べることが可能で、本来であれば奥行価格補正率などが加わった少々複雑な計算式になってしまいますが、ザックリと算出するのであれば不動産のある土地の路線価を調べてみて、その路線価に土地の広さをかけてみれば大雑把な評価額が出てきます。

 

このようなザックリとした評価額で算出してみて、基礎控除額よりも相続財産が大きく下回るようであれば相続税の課税対象となる可能性はほとんどないでしょう。

ただ基礎控除額よりも大きく上回った場合は課税対象となる可能性が高いですし、基礎控除額と大雑把に計算した相続財産の評価額が同じくらいの場合は「ギリギリ大丈夫だろう」と楽観視してしまうと後々税務署からの連絡がきてしまう可能性も出てきます。

 

 

基礎控除額を上回っても納税額を0円に出来ることもある

「財産が基礎控除額よりも高くなったから、相続税を払わなきゃいけないのか…」

相続財産が基礎控除額を上回っている場合相続税の課税対象となりますが、相続税には様々な控除制度があります。

この制度を活用することで、課税額を0円に出来ることも少なくはないのです。

ここで注意していただきたいのは、基礎控除以外の控除を活用して納税額を減額する為には税務署への申告が必要であること、誰がどの財産を相続するのかを遺産分割協議で決める必要があることです。

もしも「控除を活用したら相続税は0円になるから申告しないでもいいか」と申告をしない場合、未納扱いとして税務署から連絡が来てしまいます。

 

相続税の申告は相続を知ったときから10ヶ月以内となっているので、その期間以内に遺産分割を行い誰がどの財産を相続するのかを決める必要があります。

この10ヶ月の期限以内にまとまらない場合でも、とりあえず法定相続分で分割した相続税を計算し申告期限後3年以内分割見込書と共に提出すればそこから3年内に分割すれば誤差の納付、または払いすぎた税金の還付が受けられます。

分割できていないからと相続税の申告をしない場合は追徴課税を追加で納付する必要が出てきてしまいますし、その後分割しても特例や控除を適用できなくなる可能性が高いのです。

相続税の控除・特例には、下記のようなものがあります。

 

贈与税額控除

もしも相続人が被相続人が亡くなる3年以内に贈与を受けていた場合、その生前贈与された財産は被相続人の財産として加算します。

このときにそのまま相続税も加算してしまっては、相続税と贈与税の二重課税となってしまいます。

その為持ち戻された財産に贈与税が課税されていた場合、その課税額を控除します。

 

配偶者の税額軽減

被相続人の財産が配偶者の生活基盤となっていた場合、配偶者が相続するのに高額な相続税が課税されてしまっては生活保障に支障が出る恐れがありますし、被相続人が財産財産を形成する際に配偶者の貢献があることなどの観点から配偶者が相続する際には相続税額は軽減されます。

 

未成年者控除

相続人が未成年の場合養育費など被相続人が他界したことで厳しくなるのに、相続税の負担が重くのしかかってしまえば生活が出来なくなってしまう危険性があります。

その為生活保障の観点から未成年者が法定相続人として相続する場合、相続税が一定額控除される制度があります。

 

障がい者控除

障がい者が法定相続人として相続する場合、年齢や生涯の重さなどで算出した額の控除を受けられます。

 

相次相続控除

去年父が、一昨年母が、今年は配偶者が・・・というように短い期間で相続が何度も発生したときに、その度に相続税を納付しては生活が出来なくなってしまう恐れがあります。

そこで10年以内に相続が2回など、短い期間で相続が連続した場合に相続税を減額する制度があります。

 

小規模宅地の特例

国税庁のデータでは相続財産の内土地・建物は43.3%を占めています。

これは平均であり、財産の多い層ではもっと少ない場合もありますし、自宅が一番大きな財産である場合には半分以上を占めることになるでしょう。

配偶者や子供など相続人が被相続人の財産を生活基盤としている場合、自宅を相続しなければ生活が出来なくなるのに自宅を相続したら相続税の負担が重くのしかかることになってしまいます。

そこで相続発生時に被相続人が相続発生時に住んでいたり、貸付事業で使用していた宅地の一定の面積の範囲内に関しては大幅に評価額を減額することの出来る特例があります。

住んでいた住居は評価額が8割下がるので、この特例を活用するだけで相続税の納付額が0円になるという人も多いです。

 

 

このような相続税の控除制度を活用することで、実際に相続が始まってしまった後でもある程度相続税の対策をとることができるのです。

しかし遺産分割で相続人同士の争いが起きてしまった場合など遺産分割がまとまらない、そもそも相続財産を探すのに時間がかかってしまうことが少なくありません。

10ヶ月の申告期限は思っている以上に短く感じ、気がつけば申告期限ギリギリ、または申告期限が過ぎてしまっていたということもあります。

そのようなリスクを抑える為にも、生前の内に相続対策を行うことが重要でしょう。

 

遺産分割で揉めないように遺言であらかじめ誰がどの財産を相続するか遺留分を考慮して決めておくと遺産分割の争いは抑制できますし、遺産分割は当事者同士に任せようと思っても財産目録を準備してどんな財産があるのかを残しておくだけでも遺産分割にかかる時間は変わってくるでしょう。

長男
私や父の相続のときに、相続税はかかるのかな
長男
相続対策って言ってもどういうことをすればいいのか分からない

というような不安があるようでしたら、一度相続について詳しい知識を持つ専門家に相談してみてはいかがでしょうか?

相続サロン多摩相談センターでは、日本相続コンサルティング協会の公認相続コンサルタントの資格を持つ相続の専門家が在籍しています。

 

宅地建物取引士の資格を持ち不動産の専門家で、家族信託普及協会で家族信託(民事信託)について学んだ家族信託家族信託コーディネーターでもありますので、特に相続財産で実家や収益物件のような不動産の割合が多い相続に強く、家族信託を利用した相続対策も行えます。

相続財産として不動産の割合が大きい場合、評価額の算出方法を変えたりなど不動産に関する知識も重要になってきます。

相続についての知識があり、不動産の専門家が対応しますので、不動産に強い相続対策を提案することが出来ますので、是非ご相談ください。

 

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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