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前妻の子と後妻の子両方に財産を平等に遺したくありませんか?

 2017/06/15 家族信託
この記事は約 9 分で読めます。
子供であることには変わりないんだから、元々平等だろう!

前妻との子供であっても後妻との子供であっても、「あなたの相続のとき」は平等に相続されます。

しかし、前妻との子供は後妻とは血縁関係がないので、「あなたの相続で得た財産」までしか財産を相続することは出来ないのです。

その為あなたの相続だけで見れば平等な相続になっても、後妻が亡くなったときに前妻との子と後妻との子には大きな不平等が生じます。

あなたが亡くなり相続が起きると、法定相続分で分割する場合後妻は1/2、前妻の子と後妻の子はそれぞれ1/4ずつ相続されることになります。

 

前妻はあなたが亡くなった段階では既に婚姻関係はなくなっているので、相続人とはならず遺言を遺す等をしない限り財産は得られません。

そして後妻が亡くなるときには、相続人は後妻の子供だけになります。

つまり夫婦が共に亡くなった段階で見ると、あなたの財産は前妻との子は1/4、後妻との子は3/4の割合で相続することになるのです。

後妻が亡くなるときにはあなたの財産であったものは減っているかもしれませんし、後妻が別に築き上げてきた財産もあるので「あなたの相続発生時にが所有している財産」がピッタリ1/4、3/4相続されることになるとは言えません。

しかしそれでも「後妻に相続されるあなたの財産が1円も前妻の子に相続されない」ということになると、前妻の子の視点からすると不平等に感じるでしょう。

 

もしも「前妻との子にも自分の財産ぐらいは平等に遺してあげたい…」と思っても、遺言などで前妻の子に多く相続させるのは後妻が不満を感じてしまうでしょう。

後妻に遺言を書いてもらうなどの対策もありますが、あなた亡き後後妻と前妻との子が仲違いをしてしまうなどで書いた遺言を無効にしてしまうかもしれません。

あなたが亡くなってしまったり、認知症などで判断能力が亡くなってしまった後になってしまうと、後妻と前妻の子との間に少しでもわだかまりがあれば対策はとりにくくなってしまうでしょう。

そこで、今回は前妻の子にも後妻の子にも平等にあなたの財産が相続されるための対策を紹介します。

 

 

 

後妻が亡くなったときは前妻の子に財産は相続されない

相続は被相続人(亡くなった方)の配偶者、血縁者に相続されます。

血縁者は被相続人に近い順に

第一順位:子供(子供が既に亡くなっていれば孫) …直系卑属

第二順位:親(両親ともに亡くなっていれば祖父母) …直系尊属

第三順位:兄弟姉妹

 

  1. 第一順位である子供がいれば子供と配偶者
  2. 直系の子供も孫、ひ孫もいない場合は親と配偶者
  3. 直系の子供・孫…がおらずご両親、祖父母も既に死去している場合は兄弟姉妹と配偶者

というように、配偶者は常に相続人となり、被相続人に近い血縁者が法定相続人となります。

 

そして法定相続人は血縁者と相続人がなるものであり、配偶者の連れ子は相続人とはなりません。

つまりあなたは前妻の子、後妻の子両方と血の繋がりがありますが、後妻と前妻の子には血の繋がりはないからです。

そうなると例えあなたの相続時に子供に平等な相続をさせてあげることが出来たとしても、現在のあなたの配偶者である後妻がなくなった時、後妻に相続されたあなたの財産は後妻の子にのみ相続されます。

あなたの相続時に法定相続分で相続が行われたとすると、配偶者である後妻はあなたの財産の1/2、子供2人はそれぞれ1/4ずつ相続されます。

そしてその後後妻が亡くなったときには、その全ての財産は後妻の子に相続されることになります。

 

例えばあなたの相続時に後妻は実家と300万円、子供がそれぞれ1,000万円を相続したとします。

この時点ではどちらの子供も1,000万円で平等ですが、後妻の相続時に実家と300万円の残り、そして後妻固有の財産は全て後妻の子に相続されることになるのです。

後妻が300万円を使い切っていたとしても、不動産である実家がなくなるというケースは稀でしょう。

その為この場合最終的にあなたの財産は、前妻の子が1,000万円、後妻の子は1,000万円と実家(+後妻の財産)を相続することになるのです。

 

後妻の財産の中には後妻がご両親から受けた相続財産なども含まれると考えられるので、後妻の子に相続されるのは仕方のない部分もあります。

しかし何の対策も講じない場合、あなたの財産についてもこれだけの不平等が生まれてしまう可能性があるのです。

 

 

一番手軽で早い解決策は養子縁組

あなたの財産に関して子供同士の不平等をおこさない一番手軽な対策としては、養子縁組があります。

連れ子を後妻の相続人としたい場合、養子縁組で「配偶者と前妻の子」につながりを持たせることが出来ます。

養子縁組で養子となった場合、相続分は実子と変わりません。

その為後妻と前妻の子が養子縁組をすれば、後妻の相続時にも前妻の子が蚊帳の外になるということはなく、あなたの血を受け継ぐ子供は両方とも財産も受け継ぐことが出来ます。

しかしこの場合後妻の固有財産についても分割することになってしまうので、もしも前妻の子と後妻・後妻の子の間にわだかまりがあった場合そこがトラブルの原因になってしまう可能性があるのです。

 

 

「自分の財産は自分の家系に受け継がれて欲しい」という人は多い

前妻の子、後妻と後妻の子という「あなたにとっての家族」が円満な関係で納得をしていたとしても、後妻の親族はどうでしょうか?

かつての旧民法では長男が全ての財産を相続するという「家督相続」というものがあり、高齢者の中にはまだ「財産は長男が相続するもの」という認識でいる方もいらっしゃいます。

そこまではいかなくても、「自分の財産は自分の家系に遺したい」と考える方は多くいらっしゃいます。

あなたも子供が結婚したあと孫が出来なかった場合「自分の財産は子供の嫁の家系に流れてしまうのか…」と不安に感じるのではないでしょうか?

 

後妻は自分の子供と共に前妻の子を育てているわけですから、血以上のしっかりとした絆を持つ方は多いでしょう。

しかし後妻の両親や兄弟姉妹などのからすれば前妻の子は別の家系の人間であり、自分の家系に財産が継がれていってほしいと考えている人からすれば後妻と前妻の子の養子縁組は気持ちのいいものではないでしょう。

後妻が両親の相続などで自身の家系の財産を相続していた場合、その財産も前妻の子に相続されてしまうからです。

法的に親子関係になれる養子縁組は効果が高く、前妻の子でも後妻の子でも関係なく相続が行われるようになります。

後妻の家系も前妻の子を受け入れて可愛がってくれているのであれば問題はないかもしれませんが、「あの子はうちの家系じゃない」という意識が親族の中である場合、トラブルの原因となってしまう恐れがあるのです。

 

 

家族信託であればあなたの財産に限定して次の相続先を指定できる

「自分の財産だけ後妻の相続時に相続先を指定できれば…」という場合の手段の一つとして、家族信託があります。

家族信託は自分の財産を信託財産として家族など信用できる人物に信じて託す民事信託の内、家族のために行われるものを指します。

 

委託者:自分の財産を信託財産として、信頼できる人物を受託者として信託する人

受託者:委託者から信託財産を信託されて、契約に沿った管理運用をする人

受益者:信託財産からの利益を受ける人、複数人・何代でも設定可能

信託財産:委託者から受託者に信託される財産で、名義は受託者に、利益は受益者のものとなる。委託者=受益者の場合は贈与税がかからない

この家族信託の特徴に「数代先の信託財産の相続先も指定できる」というものがあります。

この特徴を活用することで後妻に相続された後、後妻が亡くなった後にも前妻の子に財産を遺すことができるのです。

 

 

信託例

登場人物

父:再婚者で、前妻との子を連れ子として育ててきた

母:後妻で、実子にも連れ子にも同様に愛情をもって育ててきたが、実家に連れ子が軽視されていて養子縁組は反対された

子供A:父と前妻との子

子供B:父と後妻との子

父の財産:実家・現金

 

信託設計

委託者兼当初受益者:父

受託者兼第三受益者(1/2):A

予備受託者兼第三受益者(1/2):B

第二受益者:母

信託財産:実家・現金の一部

契約内容:受託者は、信託財産が空き家となった場合に受託者の利益となるよう信託財産を管理運用処分することが出来る

 

 

この設計の家族信託であれば、母に受益権として承継された信託財産は母亡き後はAとBに半分ずつ承継されることになります。

AとBが受益権として承継した後で実家が空き家となる場合、売却して現金にした上2人で分割してもいいですし、民泊として残し収益は2人で分け合うことも出来るでしょう。

信託財産の名義は受託者であるAになっているので、母が認知症で判断能力がなくなって介護施設に入居するなどの事態により実家が空き家となった段階で売却や民泊などの管理運用処分をすることが出来るようになります。

 

また養子縁組をしたわけではないので、母が母の家系から相続した財産に関してAは相続することはありません。

その為父の財産に関してはAもBも平等に相続でき、母の家系の相続でAがトラブルに巻き込まれるという事態も防ぐことが出来るでしょう。

家族信託による対策は手段の一つであり、あなたの状況によっては養子縁組などの別の方法の方が適しているかもしれません。

 

相続サロン多摩相談センターでは家族信託普及協会の家族信託コーディネーターであり、日本相続コンサルティング協会の相続コンサルタントである相続全般の専門家が在籍しています。

宅地建物取引士であり不動産のプロでもあるので、特に不動産の割合が多い相続に強くなっています。

相続や不動産についてお悩みのことがあれば、是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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