1. TOP
  2. 家族信託
  3. 家族信託にはどんな費用がかかるんだろう?

家族信託にはどんな費用がかかるんだろう?

 2017/03/28 家族信託 家族信託とは 家族信託の費用
この記事は約 9 分で読めます。
家族信託は気になるけど、お金がかかりそうで…

最近になって家族信託の認知度が高くなってきました。

家族信託はこれまで委任契約、任意後見契約、遺言など複数の契約で対策していたことが、1つの契約でまかなえ、家族信託でしかできない機能もあるということで、注目されています。

そのため最近になってテレビで特集を組まれることもあるので、家族信託のことを「よく分からないけど知っている」という方は多くなってきました。

家族信託というものを知って、どういうものかをなんとなく知った後はやはり「どれくらいお金がかかるのか」ということが気になりますよね。

 

 

家族信託は信託銀行の投資信託のような、不特定多数を対象に営利目的で行う商事信託と異なり、託す相手への報酬はなくても問題ありません。

基本的に家族信託は専門家に依頼しますが、依頼せずに自分で行うことも可能です。

自身で家族信託を締結させる場合、相手への報酬をなしにすれば書類作成などの実費だけで済ませることも可能ではあります。

 

家族信託は

  • 専門家に依頼するかどうか
  • どのような書類で契約書を作成するか
  • 報酬はどうするか
  • 信託監督人などを設定するか
  • 家族信託以外の相続対策・認知症対策を行うか

といったことで費用は大きく変わってきます。

そこで、そもそも家族信託とは何か、どのような費用がかかるのかということを紹介していきます。

 

 

 

家族信託とは

家族信託は家族などの身近な信頼できる人に、自分の財産の管理運用を任せる信託契約(民事信託)のことをいいます。

委託者:自分の財産を信託財産として受託者に託す人

受託者:委託者から信託財産を託される人

受益者:信託財産からの利益を受け、税などの費用を払う人

信託財産:委託者から受託者に託される財産で、名義は受託者のものになる

 

 

委託者は自分の財産を信託財産として受託者に託し、信託財産の名義は受託者に、信託財産からの利益は受益者のものになります。

信託財産が賃貸マンションだとすると、その賃貸マンションの管理運用は受託者が行い、マンションの賃料収入を受け、固定資産税などの費用は受益者が支払います。

 

 

家族信託の特徴として下記のようなものが挙げられます。

  • 受託者の名義になっているので、委託者が認知症などで判断能力がなくなっても引き続き管理運用が出来る(認知症対策)
  • 信託財産は相続財産に含まれなくなるので、遺産分割協議でもめても共有財産にならず引き続き受託者が管理運用出来る(相続対策)
  • 次代の受益者を設定できるので、遺言の代わりとしても利用できる(遺言機能)
  • 受益者は何人でも設定はできるので、1つの信託財産の受益権を複数人設定したり、「子に受益権を継承した後、次の受益権を孫に」といった数代先の相続にも干渉できる(受益者連続機能)
  • もしも受託者、委託者が破産申請をしても、信託財産に影響は及ぼさず引き続き管理運用をすることが出来る(倒産隔離機能)
  • 信託財産は受託者名義になり委託者は自由に扱えなくなるので、全ての財産を信託財産にすると委託者が自由に扱える財産がなくなる
  • 相続財産でなくなるといっても、みなし相続財産として課税対象になるので相続税はかかる(節税対策にはならない)
  • 破産をする前提で家族信託をした場合、倒産隔離機能はない(借金逃れは出来ない)
  • 受託者と受益者が完全に同一人物となって1年が経過すると、信託は解除される
  • 受益者連続信託の設定後30年経過すると、次の受益者に継承し、それ以降の継承は行われない(30年ルール)

 

 

このように、家族信託は認知症対策、相続対策、遺言機能を持っていて、この遺言機能に関してこれまでの民法では不可能だった数代先の相続への関与も可能にしています。

これまで認知症対策、相続対策などで行われていた委任契約、任意代理契約、任意後見制度、死因贈与契約、遺言などは、別々に契約する必要がありました。

しかし家族信託であればこの1つの契約で

  • 委託者が元気なときは、受託者に信託財産をどう管理運用しているのかの引継ぎができる
  • 委託者が認知症になった後は、引継いだ内容で受託者が信託財産を管理運用をできる
  • 委託者の死後相続でもめてしまったとしても、信託財産については受託者が引き続き管理運用する

というようなができるのです。

とはいえ全ての機能を有しているわけではなく

  • 身上監護は成年後見制度のみ
  • 身分に関することは遺言書のみ

など、他の制度を利用しなければ出来ないこともあります。

家族信託だけで対策をするのではなく、家族信託を中心に扱い場合によって遺言も遺すといった設計も必要になります。

 

 

 

家族信託でかかる費用

家族信託が凄いのは分かったけど、どんなお金がかかるの?

家族信託のことを知って、興味がわいてくると、次は費用についての不安がでてくるでしょう。

一般的に家族信託を専門家に依頼した場合にかかる費用としては

  • コンサルティング料
  • 公正証書で信託契約書を作成する場合にかかる公証役場の費用
  • 不動産を信託財産とする場合、名義変更の為の登録免許税、司法書士報酬
  • 信託を支援・監視する信託監督人、受益者代理人を設定した場合の報酬

があります。

 

信託監督人は、受託者がちゃんとやっていけるのか不安であるときなどに、専門家にサポートや監視をしてもらうときに設定するもので、報酬は1万円~となることが主流です。

受益者代理人はその名の通り受益者の代理人で、受益者代理人を設定しておけば受益者が未成年であったり、認知症などの判断能力がなくなることで受益者としての主張ができなくなった後も、主張ができるようになります。

 

 

 

 

信託契約書を公正証書で作成する理由

信託契約書は公正証書でなくても効力はありますが、公正証書の費用を節約する為に自作の契約書にしてしまうと、後々トラブルになってしまうかもしれないのです。

自作で作成した信託契約書の場合、後々になって「それは本当に本人が作成したものか?」「作ったときにはもう委託者は認知症になっていたんじゃないか?」といった契約書の信憑性を疑われてしまうこともありますし、実際に必要事項が抜けてしまっている契約書を作成してしまうこともあります。

また公正証書と違って控えが公証役場にはないので、相続時などの大事なときに「信託契約書が無くなった…」ということも、家族信託をよく思わない人物が処分してしまうこともできてしまうのです。

 

 

公正証書であれば公証人が作成しているので内容の不備はありませんし、委託者の話を聞いて公証人が作成したということで証拠能力もしっかりあります。

更に公正証書の原本は公証役場にあるので、自宅で保管している正本、謄本を紛失したとしても、公証役場に行けば謄本を請求することができるので、いざというときに紛失したということにはならないのです。

 

 

 

家族信託は自分で設計できるのか

一般的に家族信託の設定をするときは、家族信託コーディネーターなどの家族信託について造詣の深い専門家に相談することが主流になっています。

信託設計に資格が必要ということはないので、自分だけで家族信託を作ることもできます。

しかしその場合は家族信託について勉強してから設計しなければ、後々トラブルになる危険性もあるのです。

 

 

いくつか例を挙げます。

  • 二次受益者から三次受益者の設定をしているのに、受託者と二次受益者が完全に同一人物になってしまっているので、三次受益者に継承される前に信託契約が解除されてしまった
  • 委託者所有の財産を全て信託財産にしてしまったので、委託者が自由に使える財産がなくなってしまった
  • 受託者を高齢の方にお願いしてしまった上に二次受託者を決めなかった結果、委託者より先に受託者が亡くなってしまって信託が解除されてしまった…

 

このようなトラブルの他にも、家族信託はできてあまり時間が経っていないので、判例が少ないというデメリットがあります。

基本的に裁判ではこれまでの判例に沿った判決が出ることが多いので、判例があるというのは重要になってきます。

しかし現在信託財産で遺留分を侵害してしまったときの判例がなく、専門家の間でも議論になっています。

遺留分は兄弟姉妹以外の法定相続人に法律で保証された最低限の相続分で、委託者の名義ではなくなった信託財産が「遺留分を侵害する」のか、生命保険などと同様に「遺留分を侵害しない」のかは、まだ分かっていないません。

そのため「多分こうだろう」ということで組む家族信託と、専門家が理論立てて組む家族信託では、どうしても完成度に差ができてしまうのです。

このようなこともあり、自分で家族信託の設計をするということは、あまり行われていません。

 

 

 

不安があれば専門家に相談を

もしご自身で信託契約を設計することに不安があるのであれば、専門家に相談するようにしましょう。

法律のことだし、近くの司法書士の先生にお願いすればいいかな

専門家ということで弁護士や司法書士の先生方を想像すると思いますが、家族信託(民事信託)が普及し始めたのはここ最近のことであるので、法律の専門家であっても家族信託についてはあまり詳しくないという方のほうが多いのです。

 

 

家族信託には「家族信託普及協会」という一般社団法人があり、協会で家族信託についてをしっかりと学んだ家族信託コーディネーターであれば、相談者に適切な信託を提案することができます。

相続サロン多摩相談センターには家族信託普及協会の家族信託コーディネーターが在籍していますので、家族信託について興味があれば、是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

この記事のタイトルとURLをコピーする

\ SNSでシェアしよう! /

家族信託と不動産相続naviの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

家族信託と不動産相続naviの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

古谷

この人が書いた記事  記事一覧

  • 今の相続対策はダメになるかも!?民法の相続分野が40年ぶりの大改正!これからの相続に必要なポイントは?

  • NHKあさイチでも話題!親が認知症になる前に家族信託を相談したいけど、誰に相談すればよい?

  • 実家が売却できなくなる?アルツハイマー病の症状とは?

  • 老老介護の問題点と認認介護の危険性

関連記事

  • 前妻の子と後妻の子両方に財産を平等に遺したくありませんか?

  • 家族信託を使った認知症対策を自分で行う為にどんな手続きが必要?

  • 自分亡き後大事なペットをどうするか決めていますか?

  • 実家にご両親しか住んでいない場合空き家予備軍ですが、あなたは対策してますか?

  • 不動産の贈与をするときは「不動産だけ」を贈与してはいけない!

  • 遺言では出来なかった、自分の家系に財産を遺せる相続対策を知っていますか?