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自分亡き後大事なペットをどうするか決めていますか?

 2017/03/21 大切なペットのその後が心配な方へ 家族信託
この記事は約 13 分で読めます。
子供が独立をした寂しさから犬を飼ってみたけど、この子に最後まで付き添ってあげられるのか不安…

若い頃にペットを飼っていてもあまり感じませんが、ある程度歳を重ねてからペットを飼い始めると、「この子が生きている間自分は健康でいられるだろうか…」という不安を感じる人は多くいらっしゃいます。

人間と暮らしているペットは餌を得る能力など、野生で生活する上で必要な能力が足りず、自然に放しても長く生きることは出来ないそうです。

もしも生き残ることが出来たとしても、繁殖した後近隣住民の迷惑になってしまうこともあります。

 

それに、あなたにとってペットは大切な家族の一員かもしれませんが、自立したお子様も同じように感じているとは限りません。

よくある嫁姑戦争は、息子(嫁視点では旦那)さんを家族の一員としてみていることは共通ですが、姑・嫁はそれぞれを他人と感じてしまうからこそ起きてしまうことが多いでしょう。

もちろん嫁姑で本当の家族のように仲の良いケースも多いですが、このような視点のズレはどうしても起きてしまいます。

 

その為、例えばあなたが急に胸が苦しくなって救急搬送されてしまったときに、家族はあなたを心配してくれるでしょう。

しかしペットにも気を配ってくれるかは限らないのです。

実際に「救急搬送されてそのまま入院した結果、自宅のペットの世話を誰もやってくれなかった為に、自宅から出ることも餌を探すことも出来ない状態のペットが餓死した」というケースもあります。

仮にペットのことを気にしていたとしても、「別の誰かが世話するんじゃない?」と全員が思った結果誰も行動しなかったり、誰も引き取ることが出来ずに保健所で殺処分…ということもありえるのです。

 

うちの子に限ってそんなことはないでしょう…

と思うかもしれませんが、現実問題としてこのようなケースはおきています。

「自分が交通事故を起こすわけがない」と言う慢心が交通事故の原因となってしまっているように、「自分の子供に限って…」という慢心がトラブルの原因となります。

そのようなこともあり現在、いざという時に信託や遺言を活用して、ペットを守れるようなプランを立てている人が多くなってきました。

そこで今回は、あなたが「自分で世話が出来なくなった後」のペットを守る為に行える手段についてを紹介します。

 

 

遺言の活用方法とその問題点

息子たちはそれぞれ自立してるし、自分の財産は愛犬の為に使われてほしいから財産を愛犬に相続させたい!

相続のことを考えたときに、自立している子供たちよりも自分に依存しているペットに財産を残して、守ってあげたいと思うかもしれません。

しかし、犬や猫などのペットは法律上「モノ」として扱われるので、財産を遺贈することはできません。

その為ペットを育ててくれる人に、ペットと財産を相続させることになります。

しかしこの場合相続した財産をどう使おうが勝手なので、「財産は受け取るけど、犬は要らないから保健所に連れて行こうかな」ということも出来てしまいます。

 

うちの子が病気になったときに親身にしてくれた獣医さんだから、きっと良くしてくれるだろう

遺言でペットの世話をしてくれるだろうという人を指定しても、その人が本当に世話をしてくれるかは分かりません。

良くしてくれた獣医さんなら育ててくれるだろうと遺贈した結果、財産は受け取るけどペットは知らん顔で、気がつけば餓死してしまっていたという話もあるようです。

この財産だけ相続してペットは捨てると言うことを出来ないようにするための方法として、「負担付遺贈」があります。

 

 

ペットの世話を条件に遺贈をする「負担付遺贈」

負担付遺贈は、「財産はあげるけれども、代わりにこういうことをしてね」という遺贈に対して負担をつける方法を言います。

この方法で遺贈の条件を「ペットの世話」に設定すれば、財産を得る為にはペットの世話をする必要が出てきます。

この方法で遺贈をすればペットは安心できると思うかもしれませんが、この方法に関してもいくつか問題が出てきます。

それは

ということが挙げられます。

 

 

遺贈は拒否されることがある

私はペットアレルギーで飼えないから、遺贈を受けるのは無理かな
うちではペットは飼えないし、ペットの世話が出来ない以上遺贈は受けられないね
ペットを飼わなきゃいけないなら、財産もいいや

事前にしっかりと話を通しておけば別ですが、「この人なら何とかしてくれるだろう」という人を指定しただけでは、その人が遺贈そのものを拒否する可能性があります。

 

遺贈されるペットが猫なのに自宅ではハムスターを飼っていたり、そもそもペットが飼える環境にないなどの環境が理由であったり、

贈与に対する負担を嫌い、「こんなことしなきゃいけないならいらないかな」と拒否をすることもあるでしょう。

拒否をされてしまうと、負担の部分が「障害を持つ子供」などであればその障害を持つ子供が受贈者となります。

しかしペットは法律上「モノ」であり、財産はペットのものになりません。

 

 

相続争い

遺言で財産の相続先を指定しても、現在の法律では相続人には「相続が保証された最低限の財産」である遺留分があります。

その為「ポチ(愛犬)の世話をさせる代わりに、Bに全ての財産を遺贈する」というような遺言を書いたとしても、相続人が遺留分を主張する(遺留分減殺請求)ことが出来ます。

遺留分の主張が出てしまうとその相続は争いに発展し「争族」になってしまうでしょう。

 

 

認知症など意思能力の低下では効果はない

遺言は「自分の死後」のことについてしか記載はできず、生きている間のことについては効果を発揮しません。

元気でいるときは問題がないのですが、認知症で意思能力が低下した後が問題になります。

意思能力が低下してペットを育てられなくなった場合遺言ではサポートが出来ないので、「ペットについては誰かが何とかするんじゃないか」というようなことになると、ペットは誰の世話も受けられなくなってしまいます。

 

 

 

このように遺言でペットを何とかしようと思っても、遺贈の破棄、争族問題、認知症問題といったような問題が出てくるので中々難しいのです。

この問題を解決できる方法として、最近は家族信託の活用が注目されています。

 

 

家族信託とは

家族信託は、信託銀行などが不特定多数から営利目的で行う商事信託ではない、家族などの特定少数から報酬を目的としない信託を受ける民事信託のことです。

自分の財産を信じられる家族を信じて託し(信託)、管理・運用をしてもらうもので、託される財産を信託財産とし、3つの役割が登場します。

委託者 受託者に財産を託す人

受託者 委託者から財産を託される人

受益者 信託財産から利益を受ける人

 

家族信託を行うと、信託財産の名義は委託者から受託者に移り、信託財産から得られる利益は受益者のものとなります。

 

 

例として、アパートを信託財産をとします。

登場人物は

  • 息子に管理を任せたい大家さん(以後「父」)
  • 普段からアパート管理を手伝っている大家さんの息子(以後「息子」)
  • 認知症になってしまった大家さんの妻(以後「母」)

です。

父を委託者兼当初受益者、息子を受託者、第二受益者を母として家族信託を行うと、アパートの名義は受託者である息子となり、管理・運用を行いますが、賃料収入、固定資産税などの出費は受益者である父のものとなります。

 

本来であれば父が認知症になると契約行為が出来なくなり、アパートの大規模修繕や売買などの資産運用はできなくなってしまうのですが、家族信託を行うことで名義が息子となり、修繕も売買も契約内容に含まれていれば出来るようになるのです。

また第一受益者である父が亡くなると母に受益権が移り(継承)、信託契約は引き続き履行されます。

そしてこのとき信託財産は委託者の相続財産に含まれません。(生命保険同様みなし相続税は課税されます。)

更に信託財産の管理運用に関しては契約内容で制限することが出来るので、遺贈や相続のように渡した後は受け取った側が好きに使って良いということにはなりません。

つまり、家族信託には認知症対策、相続対策両方の効果があるのです。

 

特に相続財産に含まれないということは争族に発展してもそれとは別に資産運用をすることが出来るので、争っている間にも財産は共有化されず契約内容を履行できるのです。

とはいえ遺留分については「遺留分減殺請求が出来る」「生命保険同様遺留分に含まれない」というように賛否両論あり、「こうだ」ということはいえません。

この家族信託を活用することで、自分が世話できなくなった後のペットの安全を確保することが出来るのです。

 

 

家族信託でペットを守る方法

登場人物

  • タマの世話を最後まで出来るか不安に感じている祖母(以後母)
  • ペットの猫 タマ
  • 祖母の息子でタマの心配はしているが、猫アレルギーで自宅では飼えない(以後息子)
  • 祖母の孫(以後孫)

 

祖母の願い

  1. 自分がタマの世話が出来なくなった後のタマのことが心配
  2. 息子が飼えないのは分かっているので、自分が育てられなくなったときに孫が育てられる環境にあるのであれば孫に、孫が育てられないのであれば有料のペットホームなどに任せる形にして欲しい
  3. 自宅と預金の一部を信託財産として、自分が認知症になったら自宅を売却して、預金と合わせて介護施設とタマのペットホームの入所費用などに充ててほしいと思っている
  4. タマが亡くなった後の信託財産は、孫に遺贈したい

 

このような場合、委託者兼当初受益者を母、受託者を息子、第二受益者を孫とし、信託財産をタマ、預金の一部、自宅とします。

そして契約内容を「母がタマの世話を出来なくなった後、孫が自分で飼育できる場合は孫、出来ない場合はペットホームでタマが亡くなるまで飼育する。現金と自宅を売却した資金から母の入所費用、タマの入所費用などの養育費を出す。タマの死後、信託を解除し残余財産は受益者に贈与される」とします。

こうすることで元気なうちはもちろん自分でタマを可愛がることができますし、認知症になった後もタマは安心して生活できます。

ペットホームは入居金約25万、年間50万円とお金がかかってしまいますし、母の介護資金もまかなうことが出来ます。

本人の意思能力がない場合財産は凍結され、本人のためにしか使うことが出来ませんが、信託財産は受託者が契約に基づき運用できるのでタマの死後孫への贈与を行うことも出来ます。

 

このように家族信託を活用することで、タマの生涯に不安を残すことなく、安心して生活することが出来るようになるのです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

ペットは立派な家族の一員ですが、飼っている当事者以外から見ても同じとは限りません。

大事に想う家族であれば最後まで守ってあげたいですが、それが出来ないかもと考えると不安になりますよね。

同じように飼い主の死去や入院など、何らかの要因で飼うことが出来なくなったペットが増えてきたことから、最近はペットホームというペットを介護まで大事に育ててくれる施設が出来てきました。

 

また日本動物福祉互助会など年会費を支払うことで、ペットホーム同様最後まで飼育したり、新しい飼い主を探してくれる団体も出てきました。

そのような団体の力を借りてでも、可愛いペットが最後まで元気に暮らしていけるようにしていきたいですよね。

とはいえ認知症になってしまうと年会費が払えなくなってしまう可能性がありますし、ペットホームは1年で約50万円と中々高額になってしまいます。

認知症になった後、空き家になってしまう家を売却するなどしてその資金を作れるように対策をしていきたいですね。

 

 

相続サロン多摩相談センターでは、家族信託普及協会の家族信託コーディネーターが在籍しています。

家族信託についてのしっかりとした知識を持ったコーディネーターが、どのような家族信託にするといいのかを提案させていただきますので、是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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