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認知症になってからも孫の助けになりたいあなたの為の家族信託

 2017/03/18 孫を想う方に向けた家族信託 家族信託
この記事は約 10 分で読めます。
孫の教育費は用意してあげたいけど、自分は最後まで生きていられるのか…

正月に親戚で集まるときなど、父が成長する自分の子供を見てそのような想いを持っていることを話したことがありませんか?

30代で出産した場合、子供が20代で就職する頃には自分が50代になっています。

その頃には親は70~80代になってしまっていますので、「自分は生きているのか、認知症になっていないか」という心配が出てきてしまうでしょう。

 

焦ってまだ若い孫に大金を贈与した場合、様々な誘惑に負けてそのお金を浪費してしまうことも考えられます。

最近はパズドラなどの課金制スマートフォンゲームに夢中になりすぎて、何十万円も使い込んでしまうケースも少なくありません。

酷い人では何十万どころではなく、何百万円ものお金をゲームにつぎ込んでしまっています。

それでなくても昔よりも娯楽が多くなっている現在ですから、まだ若い子供に大金を与えてしまうことに抵抗を感じてしまうでしょう。

 

最近になって出来た教育資金贈与信託という、信託銀行で行う信託を利用するという手段もありますが、これはかかった費用の領収書などをもってその都度申請に行かなければなりません。

また用途にも制限があり、受験の為の交通費や大学生活のためにお部屋を借りるなどの費用は対象外となることもあります。

そこで今回は家族信託を使って、親が認知症などで意思能力がなくなったり、亡くなってしまった後でも安心して教育費などの贈与がおこなえるプランを紹介します。

 

せっかく父が私の子供の心配をしてくれているんだから、安心できるような状態にしてあげたい

お父様の想いを尊重した上で、安心できるようにしてあげたいと思ったときに、この記事を読んでみてはいかがでしょうか。

この記事では近年話題になっている教育資金贈与信託について、そして同じく最近話題になっている家族信託を使った柔軟な孫への贈与方法についてを紹介します。

 

 

信託による教育費の贈与

自分が認知症になったり死んだ後にも、孫のためになりたいなぁ

ご両親があなたのお子さんになにかをしたいと考えたときに、信託を利用しての贈与を検討してもらってみてはいかがでしょうか。

現在であれば信託銀行が行っている教育資金一括贈与という制度も有効ですし、もっと柔軟性のある信託にするのであれば家族信託を活用するという方法もあります。

 

教育資金一括贈与の特例

信託銀行で行っている制度で、教育資金を1,500万円までは非課税で一括贈与をすることが出来ます。

使用期限は受取人(お孫さん)が30歳になるときまでで、そのときまでに使いきれなかった分は通常の贈与税がかかります。

このときの教育資金は学校以外でも習い事なども対象ですが、大学に通う為の下宿費用や、受験の為の交通など、学校に通う為、授業で使うためであっても対象外となるものがあります。

また自由に口座からお金をおろすことは出来ず、領収書などを送付するか、銀行に持ち込んで手続きをする必要があるので手間がかかってしまいます。

 

なおこの制度を利用すると教育資金の贈与が祖父母を介さずに行えるようになるので、「孫が会いにきてくれる回数が減った…」ということにもなってしまうことがあるため、ご両親が祖父母と孫のコミュニケーションをつなぐといいでしょう。

お金をおろす手続きは面倒に感じるかもしれませんが、この制度を利用することで認知症になった後、亡くなった後も贈与が途切れることはなくなります。

2019年3月31日までの贈与が対象ですので、ご注意ください。

この制度は1,500万円まで非課税であること、領収書などが手続きに必要となるので浪費を防ぐことに繋がるといったメリットもありますが、用途が限られていて使い切れなければ結局贈与税がかかってしまうというデメリットもあります。

 

地元の大学以外に進学する人は多く、その際必要になるお部屋を借りるお金は高額になってしまいますし、食費などもかさんでしまいます。

その部分が教育費として使えないというのは、少々使い勝手がよくないと感じる人も多いでしょう。

そのようなときに候補に入れて欲しいのが、家族信託の活用です。

 

 

家族信託で特定の時期に贈与する方法

家族信託は、財産を信用できる家族に託す民事信託です。

信託というと、教育資金の一括贈与のように信託銀行を介したものを想像するでしょう。

この信託銀行などが営利目的で不特定多数を対象に行っているのが商事信託であり、家族などの特定少数と契約をする信託が、民事信託です。

民事信託は基本的に

  • 委託者:財産を託す人
  • 受託者:財産を託される人
  • 受益者:財産の利益を受ける人
  • 信託財産:託される財産

から構成されます。

 

アパートの家賃収入などを信託した場合、その信託財産の収入、修繕や税金などの費用は受益者のものになります。

この家族信託のメリットのひとつとして、任意代理人、後見人、遺言といった、これまでそれぞれ別に契約をしなければならなかった機能がひとつにまとまっているということが挙げられます。

信託財産は名義が委託者から受託者に変わることで、委託者が認知症になって意思能力がなくなった後も契約内容に沿って受託者が運用することが出来ます。

自分の次の受益者を定めることなども出来るので、信託財産が誰に相続されるのかの遺言機能にもなります。

 

 

教育資金を家族信託で贈与し続ける方法

この家族信託を利用して教育資金・養育資金を祖父母から孫に贈与し続けることが出来るようになります。

  • 委託者・第一受益者:祖父
  • 受託者:父親
  • 信託財産:孫の教育費・養育費用の預金
  • 契約内容:委託者の意思能力がなくなった後に孫の養育費・教育費の贈与をする

というような信託内容で家族信託を行います。

 

この家族信託によって、祖父が元気な内は自分の財産から贈与を行い、認知症などになっても父親の裁量で孫に向けて教育費・養育費を贈与し続けることが出来るようになるのです。

信託契約の中で教育費・養育費としているので、教育資金の一括贈与とは違い大学の下宿費用など、用途に広がりを持たせることが出来るようになります。

また「孫の為に用意したお金だから自分が死んでも孫に渡したい」という場合は第二受益者として設定すれば契約は継続しますし、「自分が死んだら出来るだけ子供に財産を残したい」ということであれば、「契約終了後は息子(父親)に残余財産を相続させる」とすれば父親に相続されるようになります。

教育資金の一括贈与では信託契約をした段階から信託口座が利用できるようになるのでその時点から贈与を口実とした祖父母と孫のコミュニケーションはなくなってしまいます。

しかしこの家族信託の信託内容であれば、元気な内は引き続き自分が贈与し続け、贈与が出来なくなったら代わりに父親が贈与をし続けてくれるようになります。

 

認知症発症後自宅を売却し、入所資金と教育費に充てる方法

今はお金が無いけど、自分が認知症になったら自宅を売却してそのお金を介護施設の入所資金にして、余った分を孫の教育費に充てるようにしたい

働き盛りのときに家を買ってそこで生活していたけど、自分に介護が必要になったら住めなくなるし、子供はそれぞれ自立して家を持っているから自分の家は売ってしまって、その資金を入居資金に充てたいという考えの人が増えてきています。

しかし認知症発症後自宅を売却する為には、対策が必要不可欠です。

 

家を売るというのは売買契約であり、本人の意思確認が必要になります。

これは「以前本人が言っていた」「私は息子で代理人だ」というような、別の誰かが本人の意思を主張しても通りません。

後見人をつけてその人に家の売却をお願いしようとしても、後見人は「本人の財産を維持する」ことが目的です。

その為「本人を介護施設に入所させる」ことが目的であったとしても、売却が認められることはあまりないのです。

 

このようなこともあり意思能力低下後の自宅の売却をする為には対策が必要なのですが、これも家族信託で解決できます。

  • 委託者・第一受益者:祖父
  • 受託者:父親
  • 信託財産:自宅・現金(介護施設入所費用)
  • 契約内容:受託者に不動産管理・処分権を与え、委託者の意思能力低下後に売却、事前に準備した費用で介護施設に入所し、自宅売却の資金は孫の教育費・教育費の贈与に利用する

というような信託内容で家族信託を行います。

信託契約により自宅の名義は父親になり、信託契約に沿って売却し、利用することが出来るようになります。

このようなことが信託銀行などの商事信託で出来ることは少なく、このような柔軟な信託内容にすることが出来るのが家族信託の強みです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

今は元気でも、いつ発症するか分からないのが認知症です。

父さんはまだ元気だしそういう対策は必要ないでしょ

と思いがちですが、実際には「元気なうちでしか対策は出来ない」のです。

もしも「孫の成長を何処まで見守れるのか…」というような不安をご両親が感じていらっしゃるようでしたら、「まだ大丈夫でしょう」と励ますのではなく、「じゃあ信託を利用してみる?」というように、一緒になって考えられるようにしてみるといいのではないでしょうか。

また、逆に「自分はまだ大丈夫だ!」と対策をとることを拒んでいらっしゃるようであれば、一度第三者である専門家の話を聞いていただき、考えてみてもらうのがいいでしょう。

 

相続サロン多摩相談センターでは、家族信託普及協会の家族信託コーディネーターが在籍しています。

家族信託についてのしっかりとした知識を持ったコーディネーターが、どのような家族信託にするといいのかを提案させていただきますので、是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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