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贈与税は怖くない!家族信託で隠居を実現できるのを知っていますか?

 2017/03/25 事業継承に困っている方へ 家族信託
この記事は約 13 分で読めます。
父がそろそろ隠居したいといっているけど、管理だけ自分がやっていればいいのかな?
父のアパートを所有すると税金がかかってしまうから、中々上手くできないな

高齢になっても「まだまだ若いもんには負けん!」と元気に活動される方ももちろんいらっしゃいますが、高齢になって「現役を退いて隠居したいな」と思われる方も多くいらっしゃいます。

 

会社員をされている方の場合は部下の指導をして退職を待つだけという場合が多いですが、賃貸マンションやアパートを所有されるオーナーの場合は所有する物件を誰かに贈与するなどが必要があります。

その為仕方なく引き続き賃貸物件の管理をしている方、実務は子供に任せていてもオーナーは親のままというケースも多いのです。

この場合はオーナーである親が認知症になるなど、契約に必要な意思能力が低下してしまうことで、新しく入居者を迎えることも、リフォーム等の大規模修繕、売却などが出来なくなってしまうのです。

 

その為何も対策をせずそのままでいると、認知症などで意思能力がなくなったときに

  • バストイレ別などニーズに合わせたリフォームが出来なくなる
  • 新規契約が出来なくなる
  • 売却をして現金化することが出来なくなる

といったことになってしまいます。

 

そんなことを言っても税金が払えないからなぁ
父から『○○に任せるのはまだ不安だなぁ』と言われてしまった…

不動産の資産承継を行う為には贈与したり、売却という形で子供に譲渡するにはお金がかかってしまいますし、親からすればこれまで自分がやってきたことを、誰かに完全に渡してしまって任せるというのは不安に感じることも多いでしょう。

このような、「誰かに任せたいけど、中々任せられない」というケースに有効な対策のひとつとして、隠居信託が注目されています。

隠居信託は、最近テレビで取り上げられるようになった「家族信託」を用いて、擬似的に隠居が出来るようにしています。

 

この隠居信託には

  • 贈与税がかからず名義を変更できる
  • 完全に贈与されるわけではなく、場合によっては再び親の所有に出来る
  • 認知症対策になる
  • 相続対策になる
  • 親が元気な内から行うので管理運用の引継ぎが出来る
  • 遺言では出来ない数代先の相続をコントロールできる

といったようなメリットがあります。

 

父が元気な内から管理について触れておきたい
長男
賃貸管理が出来ない空白の期間が出来るのは困る…

というのであれば、是非ご覧になってみてください。

 

 

親の認知症によって事実上財産は凍結される

父が認知症になったら、これまで代わりにやってきたことが出来なくなった…

結論を先に出してしまっていますが、オーナーである父親が認知症となり判断能力がなくなる、意思能力がない状態になってしまうと、父本人が管理するのはもちろん、子供や妻などが管理することも出来なくなります。

これは何故かというと、認知症になり意思能力が低下してしまうことで詐欺被害などのリスクが高くなるからです。

 

また「自分は子供だからいいだろう」と、親の判断能力がないことをいいことに、自分の都合のいいように解釈して親の財産が使い込まれてしまい相続でトラブルに発展してしまうケースも多くあります。

次男
親父に聞いたらフェラーリに乗りたいって言ってたから、親父の金で買っちゃった!

といって財産全てを使い込んだ子供をその他の家族が訴えて、有罪になったものの財産は半分も戻ってこなかったというケースもありました。

そのようなことを防ぐ為に、本人の判断能力がなくなった場合財産を利用するのに後見制度を利用しなければいけなくなっています。

 

後見制度は、後見人が判断能力のなくなった被後見人の代わりに代理で財産管理を行い、契約を結ぶようにする制度です。

この制度が適用されると不動産売却などの行為は家庭裁判所の許可なしには出来なくなり、本人の為以外の財産の利用は原則できなくなります。

例えば「相続税の節税の為」と親族に生前贈与をしたり、「自分は子供だから」と親の財産から生活費を出すことは出来ません。

また「本人の財産の現状維持」を目的としているので、株投資などの管理運用なども出来ません。

居住用不動産売買などの行為は家庭裁判所の許可が必要となっていますが、よほどの理由がない限り裁判所は許可を出してくれないので、事実上凍結のような状態になってしまうのです。

 

財産が凍結状態になってしまうと賃貸物件の新規契約が出来なくなり、大規模修繕もできなくなってしまうので、事実上アパート・マンションの経営、管理が出来なくなってしまうのです。

その為認知症になる前に事業承継をした方が安全なのですが、物件の所有権を移すためには税金などの費用がかかってしまいますし、親からしても「子供に財産管理を任せるのはまだ不安だ…」という思いも出てきてしまうでしょう。

そのようなときに、税金がかからないように、なおかつ「もう一度所有権を自分に戻したい!」と思ったときに実際に所有権を戻せる対策として注目されているのが、隠居信託です。

 

本当の「隠居」という制度は家督相続の制度とともになくなってしまっています。

しかし隠居信託は最近テレビでも放送されるようになった家族信託というものを利用して、擬似的に隠居の状況に出来るのです。

 

 

家族信託とは

家族信託は民事信託のことで、信頼できる家族に自分の財産を信じて託し、託された人が契約内容に沿って財産を管理運用する制度です。

信託銀行などが営利目的で不特定多数と信託契約を行う商事信託とは違い、家族など身近な特定少数を対象に営利目的ではない信託契約を行います。

その為、専門家に信託自体の支援・監視を依頼しなければ、報酬を無料にして実費のみで済ませることが出来ます。

委託者:自分の信託財産を受託者に託す人

受託者:委託者から信託財産を託される人

受益者:信託財産から利益を受ける人(税金や修繕費などの出費は受益者が支払う)

信託財産:委託者が受託者に託す財産

 

信託契約を結ぶと信託財産の名義は委託者から受託者に変わりますが、財産から利益を得る人物は受益者なので、受益者が父親のままであれば贈与税はかかりません。

そして名義が受託者になっているので、例え委託者である父が認知症になったとしても名義主である受託者が、信託契約に沿って管理・運営が出来るのです。

また、名義が委託者でなくなることで委託者固有の財産ではなくなるので、相続財産から隔離されます。

とはいえみなし相続財産として相続税はかかってしまうので相続対策にはなりませんが、遺産分割の際に所有権が共有化されず遺産分割協議中であっても問題なく管理運用が出来ます。

 

名義は移りますが、全ての権限が移るわけではなく、受託者は信託契約に沿った管理運用しか出来なくなります。

例えば「アパートの管理・運営はしてほしいけど、先祖伝来の土地にあるアパートだから売却はしてほしくない」という場合、契約でそのように記載することで委託者の意に沿った、大規模修繕や新規契約はできても売買はできないという制限で管理・運用することになります。

契約内容に指図権を入れておけば、受託者の管理運用に強制力のある口出しが出来るようになるので、「自分が元気なうちは完全に任せず、補佐をして育てたい」という考えも可能になります。

 

更に受益者は何人でも、何代でも設定できるので、「自分の死後受益権は○○に継承する」という遺言の機能もあります。

この遺言機能に関して、遺言では次の世代に相続・遺贈させた場合その財産の次の相続・遺贈先を決めることはできませんが、信託契約の場合は第二受益者、第三受益者というように設定できるので、遺言では出来なかった数代先の相続のコントロールも出来るようになったということになります。

このように、家族信託は名義が変わり委託者の判断能力がなくなっても財産の管理運用が出来る認知症対策、遺言機能や遺産分割協議で揉めてしまっても管理運用が出来るなどの相続対策、元気なうちに管理運用方法を引き継ぐことが出来るので経営対策にもなります。

 

擬似的な隠居が出来る隠居信託

家族信託の

  • 認知症対策
  • 相続対策
  • 経営対策

の機能を活用することで擬似的な隠居を実現したのが、隠居信託です。

 

 

隠居信託の例

家族構成

父(隠居したい賃貸マンションのオーナー)、息子(頼りなく思われている)、娘、息子の子供(以後 孫)

 

父の想い

  • 隠居はしたいが、息子にマンション経営を任せたことがないのでいきなり任せるのは不安
  • 賃貸マンションを息子に贈与する為には税金などのお金がかかってしまい、その余裕がない
  • 最近物忘れが気になりだし、何とかしなければと思っている
  • 娘には財産を渡したいと思っているが、娘が嫁に行った家系には財産は渡したくない

 

このような場合の隠居信託では

 

  • 父:委託者兼当初受益者、指図権者
  • 息子:受託者兼第二受益者(1/2)
  • 娘:第二受益者(1/2)
  • 孫:二次受託者兼第三受益者
  • 信託財産:賃貸マンション

契約内容は「受託者である息子は、自身の判断で信託財産の管理・運用・売却を行うが、父が元気なうちは息子に必要に応じた指図をし、場合によっては信託契約を破棄する。」といった内容にします。

この信託契約により賃貸マンションの名義は息子に移りますが、家賃収入は父のままなので贈与税などの税金はかかりません。

元気なうちは息子に収益物件の管理運用の引継ぎが出来るので、父の判断能力が低下したあとも戸惑うことなく運用することが出来るようになります。

もしも信託を行って「息子には任せられない」と判断した場合は信託契約を解約して、娘や孫を委託者として信託を組みなおすことも出来ますし、その際も贈与税などの税金はかからず実費だけになります。

 

親子関係は良好で子供同士の仲も悪いわけではないので、相続発生時の二次受益者として兄妹に平等に承継させます。

とはいえ自分の財産は自分の家系に納められるように第三受益者として長男の子供を設定し、娘が死亡後は自分の家系に受益権が戻るように設定します。

このことは父と娘でよく話をし、場合によっては信託財産以外の遺産分割が娘の方が多くなるように遺言を残しておくといいでしょう。

兄妹が死亡後は受託者、委託者ともに孫になり、受託者と受益者が同一人物になって1年経過すれば信託は解除されますし、信託契約内で第三受益者に受益権が承継されたときに信託契約を解除するようにすることも出来ます。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

国債のような運用があまり必要のないものであれば問題は少ないかもしれませんが、賃貸物件が凍結されて管理運用が出来なくなってしまうのは避けたいですよね。

とはいえ事業承継に必要なお金はとても高額になってしまいますし、任される側としても突然自分がオーナーになっても「いきなり丸投げされても…」と困ってしまいます。

そのようなときの選択肢の一つとして考えておきたいのが、家族信託を活用した隠居信託です。

 

隠居信託にすれば元気なうちの引継ぎ期間がありますし、親の判断能力低下後、相続発生時の対策もまとめて行うことが出来ます。

家族信託は柔軟性が非常に高く、今回の例のような財産が自分の家系から出ないようにすることも、自分亡き後の障害者の支援などを強制することも出来ます。

相続・認知症対策で不安なことがあれば、家族信託を検討してみるのはいかがでしょうか。

 

 

相続サロン多摩相談センターでは、家族信託普及協会の家族信託コーディネーターが在籍しています。

家族信託についてのしっかりとした知識を持ったコーディネーターが、どのような家族信託にするといいのかを提案させていただきますので、是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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