1. TOP
  2. 介護
  3. 親の介護が失敗するのは何故か知っていますか?

親の介護が失敗するのは何故か知っていますか?

 2017/09/30 介護
この記事は約 13 分で読めます。

突然ですが、

  1. あなたの兄弟の中で誰が親の介護をすることになっていますか?
  2. どのような介護の方針にしていますか?
  3. また、そのことについて家族で話し合っていますか?

 

しっかりと話し合っていて、その上で誰が親の介護をするか決まっている

という場合であれば、1~3番目の質問全てに答えられるでしょう。

あなたはどうでしょうか?

 

 

1番目の「誰が介護することになっているか」という質問に関しては、

次男
長男の家が介護するのが普通だろう
長男
実家の近くに住んでいるのは次男だから、次男の家がやるのが普通だろう

 

2番目の「どのような方針で」という質問に関しても

次男
それは長男の家に移住しての在宅介護でしょう
長男
実家があるんだから実家での在宅介護をするのが常識でしょう

というような、自分の考えは言える方が多いでしょう。

しかし3番目の質問に関して「話し合っている」と答えられる家族は、多くはないのではないでしょうか。

 

日本は介護や相続などネガティブなイメージのある話に関して、事前に話し合うものではないという場の雰囲気に飲まれ、切り出しにくくなりがちです。

そして話をしていないにもかかわらず、「こうなるだろう」と自分の中で結論をだしてしまうケースが多いでしょう。

その「こうなるだろう」というのは普通はこうだろうという先入観や

だって俺は仕事が大変だし、妻も育児で大変なんだから
私はもう嫁いでるし、学費とかで家計が大変なんだから

というような「自分は大変だから」という理由で、自分以外が介護するだろうと思いがちになってしまうのです。

 

自分以外が介護をするだろうと、家族全員が思っていた場合どうなるでしょうか?

また誰か1人が介護することになったとして、介護は精神的肉体的金銭的な負担がとても多いものです。

1人だけがその負担を背負う状態が続いてしまった場合、その1人は不公平を強く感じ不満が溜まってしまうでしょう。

介護は扶養義務の範囲内で、現在の相続税法では介護の負担の有無にかかわらず、相続財産は「平等に」相続されます。

 

介護の負担を背負い不満が溜まった人からすれば、そのような平等という名の不平等は、許せるものではないでしょう。

こうして相続の不和で家族同士の争いになる、「争族」に発展する危険性が高くなるのです。

争族にならないように、元気な内に親の介護をどうするのかを決めてみてはいかがでしょうか。

 

親の介護が失敗する要因

当事者である子供同士での話し合いと準備をしていなかった

親が介護の必要な状態になるのは突然なことが多く、「親の介護なんて必要になったときに話し合えばいいじゃないか」と考えていると、思ってもいなかったタイミングで介護が必要になることが多くあります。

初孫の子育てを任せられて急がしい状況であったり、子供の学費などで親の介護費用を出すことが難しいといった状況で、親の介護が始まる可能性もあります。

そのような状況で「親が介護の必要な状況になった」と話し合いをしても、「私にそんな余裕はない!」と一蹴したくなるでしょう。

事前に子供全員が毎月1万円でも積み立てておけば、金銭面の負担を大幅に軽減することが出来ます。

しかし事前の話し合いをしていない方がそのような準備をしていることはほとんどありませんから、親の財産で親の介護費用がまかなえなければ親の介護が失敗する原因になってしまうのです。

 

 

精神的・肉体的な磨耗

介護というと肉体的な負担が大きいのはイメージしやすいですが、精神的な負担も大きいのです。

例えば子育てであれば、「大きくなれば手がかからなくなる」というような希望があります。

しかし親の介護の場合回復する希望はほぼなく、後は介護が大変になっていくだけです。

 

  • 同じことを何度も何度も聞いてくる姿
  • 親が簡単なことも出来なくなって失敗し、「昔はこうしていたんだ!」などと怒りながら言い訳する姿
  • 親が自分が失くした財布を、「あいつが盗んだ!あいつは私の財産を全て奪うつもりだ!」などとあなたを悪者にして周りに風潮する姿
  • 認知症が進んできて、排泄にも介助が必要になったり弄便(便をいじる行為)をする姿

自分を育ててくれた親の、このような姿を見ることも精神的な負担となります。

また親の嘘などを真に受けてあなたを非難してくる人や、自分ではやったこともないくせに知ったかぶって「こうすればいいじゃん、何でしないの?」と口を出してくる、介護を手伝わない家族を含む赤の他人の言葉にも精神は磨耗していきます。

この肉体的・精神的な磨耗に耐えられずに、介護うつなどになってしまう方が多くいます。

 

 

介護の金銭的な負担

介護には精神的・肉体的な負担だけでなく、金銭的な負担も大きくなります。

デイサービスなどを介護保険で活用していても自己負担分はかかってしまいますし、リハパン(パンツタイプのオムツ)などの消耗品の費用も積み重なれば大きくなります。

親に預貯金での財産がしっかりとあれば、子供が負担しなければならない金銭的な負担はあまりないでしょう。

しかし親にあまり財産がなければ子供が負担するしかありませんし、財産があっても不動産がほとんどであると、財産の管理運用は絶望的になってしまいます。

成年後見制度を利用すれば不動産の売却も出来なくはありませんが、その後親が亡くなるまで報酬を支払う必要があるなどのデメリットが多くあります。

 

 

介護の押し付け合いなどによる家族関係の悪化

突然親に介護が必要になり誰が介護をするかの話になると、「自分は大変だから」などと言って介護を押し付けあうことがあります。

そのときの言い争いで家族関係にヒビが入ることもあれば、介護を押し付けた側が介護をしている人を支援もせずに口出しをするなどで、家族間の不和が生まれることが少なくありません。

 

 

介護が失敗すると・・・

「長男の嫁が介護をするもんだ」と丸投げした結果の離婚

夫の家系で「長男の嫁が旦那の親の介護をする」という慣例になっていたとしても、嫁の家系ではそうでないことも多いでしょう。
自分の親の介護であればおこなっても、子供である夫がまったく介護をせず自分ばかりに姑の介護を押し付ける状況が続くのは嫁からすれば納得できないでしょう。

嫁姑の仲が悪ければなおさらで、そのまま熟年離婚に繋がることも少なくありません。

そうなってしまうと夫には普段の仕事にプラスして、これまで嫁に丸投げしていた親の介護の負担がのしかかってきます。

また独居生活には孤独死のリスクが付きまといますので、押し付けるのが当然といった考えは捨てたほうがいいでしょう。

 

 

介護と仕事を両立できずに起こる介護離職

親の介護に先入観を持つ方の中には

  • 親の介護は長男の家が在宅でするものだ
  • 介護施設は姥捨て山みたいなもので、そんな場所に親を入れるなんてとんでもない!

という方も少なくありません。

しかし介護と仕事の両立は難しく介護離職をしてしまって、介護が終わった後には再就職も出来ず無職のままの自分だけが残るリスクが大きいのです。

親の介護は50代前後から始まるケースが多く、そこで介護離職をしてしまった場合、再就職は非常に難しいでしょう。

 

 

相続が争族に・・・

1人が介護の負担を全て負った場合、他の相続人よりも大変な肉体的・精神的な苦労をしていることになります。

また介護費用を被相続人(亡くなった方)の財産からだけでなく自身の財産からも支払っていたり、介護離職をして人生が大きく狂ってしまった場合は経済的な負担も多かったでしょう。

しかし、親の介護は扶養義務の範囲内であり、介護が相続で有利になることはほぼありません。

人生を狂わせてまで親の介護をやりきったのに、相続のときに「じゃあ法定相続分で平等に分けようか」と言われて、何もしていない兄弟と同じ分しか相続できないとなると不平等にしか感じられないでしょう。

 

逆に、介護をしていない兄弟が「あいつは介護を口実に親の財産を使い込んでいる!」と思ってしまっている場合もあります。

認知症の症状の一つに、「物盗られ妄想」があります。

これは実際には自分でおき場所を変えたことを忘れていたり、実際には存在していないものを「誰かが盗んだ!」と妄想して、それが真実であると思い込んで周りの人に「あいつは私の財産を根こそぎ奪うつもりだ!」などと訴えてしまう症状です。

これを他の兄弟姉妹が聞いて本当の事と思ってしまえば、今残っている財産は「介護を名目に搾取した後残った財産」と思ってしまいます。

そうなればお互いに対立し、家族同士で争ってしまう争族に発展してしまう危険性が高くなってしまいます。

 

 

親の介護を失敗させないためには?

事前に話し合うことが第一

親の介護について話し合わずに先入観だけで「こうなるだろう」と考えていると、後になって押し付け合いになってしまうリスクがあります。

そこで、親戚の冠婚葬祭など兄弟が揃うタイミングで親の介護についてしっかりと話し合うことが重要です。

実際に介護が必要になってから話し合いになると、急いで結論を出す必要が出てくるので押し付け合いになりやすく、不満が残ってしまうことが少なくありません。

このとき「誰が親の介護をするか」という議論では、「自分はこういう理由で介護が出来ない」という言い訳合戦になりやすくなります。

 

 

親の介護は役割分担をして全員で行う

親の介護の話し合いで誰か1人に押し付けないポイントは、あなたに任せるではなく「あなた中心で役割分担をしよう」という話し合いにすることです。

これは介護を誰か1人が全て負担するのではなく、親の状況やかかっている費用などの情報を統括するリーダーを決めて、その人を中心として子供全員が介護の負担を負うようにするということです。

先述では言い訳合戦と記載してしまいましたが、どうしても介護をすることが出来ない方はいるでしょう。

そのような場合でも

  • 介護費用を出す
  • 介護施設やケアマネージャーなどからの一次対応を請け負う

というような、子供全員が親の介護に関わるように役割分担をしましょう。

 

実際に介護をするわけでも、介護施設とのやり取りをするわけでも、費用負担をするわけでもない人が、たまに親に会いに来て介護に口出しをしてくるというのは、普段介護の負担を負っている側からすればカチンときます。

  • 直接介護をすることが出来ないのであれば費用の負担を
  • それも出来ないのであれば介護施設との一次対応などの負担を

「忙しいしお金もない」と親の介護に全く関わろうとしないのであれば、親の介護に口出しもさせないようにした方が精神的な負担は大幅に抑えられます。

 

 

介護保険を知り適切なサービスを受けられるようにする

介護保険の介護サービスに対して、重度の認知症など「介護が大変になるまで使わない方がいいのでは?」と考えてしまっていませんか?

介護保険では介護が必要な人(要介護)のためだけでなく、介護が必要な状況になるのを予防(要支援)するために適切な介護サービスを受けることの出来る制度です。

介護保険の介護サービスを利用することで、デイサービスなどを利用できるだけでなく、自己負担を大幅に抑えて実家に手すりなどを設置することが出来ます。

在宅介護を長く続ける為にも介護費用を抑えるためにも、介護保険サービスは早めに受けるようにした方がいいでしょう。

ケアマネージャーなどの介護のプロからの意見も聞きやすくなるので、介護の質も高くなります。

 

 

介護休暇・介護休業への理解と、雇い主に拒否させない勇気を持つ

親の介護をしていると、病院への送り迎えなどの機会は多くなります。

そこで問題となるのが、仕事と介護の両立でしょう。

親の介護で仕事を休まなければならない状況になったときに、

「本当は仕事を続けたいけたいけど辞めなければいけない」

と介護辞職をする方が多く、問題となっています。

 

70代の親を子供が介護する場合、子供の年代は若くても40代以降になるでしょう。

その後10年~20年介護をすることになった場合子供は若くても50代以降であり、再就職のハードルは非常に高くその後の生活が貧困になってしまうリスクも高くなります。

親の介護と仕事を両立させるためには、介護休業・介護休暇の利用は重要です。

  • 介護休暇は1年に5日まで(2人以上を介護している場合は10日)で、1日または半日単位での取得
  • 介護休業は1人の介護につき3回申請可能で通算93日の取得

という範囲で休むことが、国の法律により定められています。

 

会社によっては「そんなことできるわけがないだろう!」と拒否をしてくるかもしれません。

しかし介護休暇・介護休業は国により保障されているので、入社1年以上で2週間前までに申出などの要件さえみたいしていれば、会社側は拒否することは出来ません。

また介護休業などを取得することで減給となったり、退職を迫られたりといったことも禁止されています。

介護休業などの制度を利用する前後は気まずくなるかもしれませんが、介護休業を利用する勇気さえあれば、介護と仕事を両立させることが出来るのです。

 

 

介護について話し合ったタイミングで、相続についても話し合ってみてはいかがでしょうか?

子どもがそれぞれ独立した生活をしていると、全員で会えるタイミングは中々ないでしょう。

親の介護について話し合う流れで、相続についても話し合ってみてはいかがでしょうか?

「相続対策といってもうちは仲が良いから必要ない」という方もいるかもしれませんが、争いの対策だけが相続対策ではありません。

火曜サスペンスのような財産を巡っての骨肉の争いをする以外でも、記事中にあった「認知症で意思能力がなくなった親の実家は売却することが難しい」というような介護をしやすくなるような対策もあります。

 

介護や葬式費用などで親の財産を使用しなければならないときにスムーズに使用するためには、親が元気な内に相続対策について話し合ってみてはいかがでしょうか。

相続サロン多摩相談センターでは、日本相続コンサルティング協会の公認相続コンサルタントで宅地建物取引士の資格を持つ相続と不動産の両方に精通した専門家が在籍しています。

相続サロンでは弁護士など他の専門家との連携によりあなたに最適な相続対策を提案することが出来ますので、お気軽にご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

この記事のタイトルとURLをコピーする

\ SNSでシェアしよう! /

家族信託と不動産相続naviの注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

家族信託と不動産相続naviの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

古谷

この人が書いた記事  記事一覧

  • 今の相続対策はダメになるかも!?民法の相続分野が40年ぶりの大改正!これからの相続に必要なポイントは?

  • NHKあさイチでも話題!親が認知症になる前に家族信託を相談したいけど、誰に相談すればよい?

  • 実家が売却できなくなる?アルツハイマー病の症状とは?

  • 老老介護の問題点と認認介護の危険性

関連記事

  • 今の相続対策はダメになるかも!?民法の相続分野が40年ぶりの大改正!これからの相続に必要なポイントは?

  • 介護保険の住宅改修費支給で在宅介護の負担を減らしませんか?

  • 実家が売却できなくなる?アルツハイマー病の症状とは?

  • 要支援から要介護にならないために受けられるサービスとは

  • 認知症かな?と感じた親とのコミュニケーションに困っていませんか?

  • 老老介護の問題点と認認介護の危険性