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介護保険の住宅改修費支給で在宅介護の負担を減らしませんか?

 2017/09/11 介護
この記事は約 15 分で読めます。

Contents

介護保険利用住宅改修について

介護保険ではデイサービスや訪問介護員(ホームヘルパー)など介護サービスを受けるときの費用を一定額まで支給(自己負担分あり)してもらえる以外にも、介護費用の負担を軽減する為の様々な制度があります。

介護保険利用住宅改修もその一つで、要支援・要介護の認定を受けた方が住んでいる住宅に手すりの設置や段差を解消する工事をする為の費用の支給を受けることができる制度です。

 

 

どんなときに利用される制度か?

本人が介護施設への入居や私たちとの同居を拒んでいるけど、実家は段差が多くて心配…
施設へ入居してもらうお金がないけど、せめて階段に手すりをつけて登りやすくしてあげたい…
ふらつきがあって要支援認定になったけど、これぐらいで実家から離れるのはかわいそう…

高齢になると筋力の低下から足が上がりにくくなったりすり足気味になったり、ふらつきが出てきたりということが出てきます。

そのようになってくるとこれまでは問題がなかった自宅の中の少しの段差につまづきやすくなったり、階段が辛くなってきます。

最初から高齢者などが住むことを考慮したバリアフリーになっている住宅であれば問題はないでしょうが、最近建築された住宅でもない限りそのような設計になっているものは少ないでしょう。

そのような「高齢者が住むには不便な住宅」に、要支援・要介護認定を受けた方が住み続けられるよう実家に特定の住宅改修をしたときに利用される制度です。

 

 

どのような人が住宅改修費の支給を受けられるの?

要介護認定を受けて要支援1~2、要介護1~5の認定を受けていて、介護施設などに入所せず在宅し続けている方が制度を利用することが出来ます。

実は着工前の事前申請と通過後の工事自体は「要介護認定申請中でまだ結果がでていない」「現在は介護施設に入所中で退所する予定」の方でも行えますが、万が一要介護・要支援と認定されなかった(非該当)、退所がなくなり引き続き入所することになった場合は住宅改修費の支給はされないので注意しましょう。

 

 

どの住宅でも改修できるの?

要介護・要支援認定を受けた本人が住んでいる、介護保険に記載された住所の住宅が対象となっています。

その為実際に住んでいる住宅でも、書類には別の住宅で登録されている場合は制度を利用することは出来ないので注意しましょう。

また新築の住宅や居室を増やすなど住まいの増改築をする場合には、住宅改修費支給の対象外となります。

 

 

住宅改修費の支給を受ける上での注意点

  • バリアフリー化のための工事でも制度の対象外となる場合もある
  • 工事の全額が対象となるわけではなく、20万円という限度額が設定されている
  • 20万円以内であっても、1割~2割の自己負担分がある
  • 介護保険の住宅改修費支給は条件を満たせば何回か利用できる
  • 特定の業者以外は最初に工事費を全額支払う必要がある
  • 申請する前に工事をしてしまうとほぼ改修費の支給を受けられない
  • 自己負担額が高額になりすぎる場合でも諦めるのは早い!

 

 

住宅改費支給の対象工事は?

住宅改修費の支給は全ての工事に対して支給されるのではなく、特定の工事とその工事を行ううえで必要になる工事に支給されます。

対象となる工事は

  1. 手すりの取り付け工事
  2. 段差の解消工事
  3. 滑りの予防・移動を円滑にするためなどで部屋の床や通路などの材料(畳⇒板など)を変える工事
  4. 開き戸から引き戸など扉の種類を変える工事
  5. 和式便器などからの便座の取替え

となっています。

 

1.手すりの取り付け工事

  • 駅などの多機能トイレのような車椅子から便座に移動しやすくなる手すりの設置
  • 立ちやがりやすく滑りにくくなるように手すりを浴室に設置
  • 居室から玄関などの廊下に手すりを設置
  • 玄関から道路に出るまでの通路などに手すりを設置

などの手すりの取り付け工事は対象となります。

ただし固定されていない家具に手すりを設置する場合は対象外となる可能性もありますし、介護保険の他のサービスである福祉用具の貸与でレンタルしたものを設置して、「工事しました」ということは対象とはなりません。

 

 

2.段差の解消工事

  • 車椅子でも上がりやすいように段差にスロープを設置する工事
  • 部屋と廊下の間にあるつまずきやすい敷居を除去する工事
  • 浴室など他より低くなっている部屋全体を底上げして段差をなくす工事

といったスロープの設置・高い部分を除去・床の底上げなどの工事が対象となります。

ただしリフトや昇降機のような機械を設置する工事などは対象外となります。

 

 

3.滑りの予防・移動を円滑にするためなどで部屋の床や通路などの材料(畳⇒板など)を変える工事

  • 車椅子などで痛みやすい畳を板の床に変える工事
  • 浴室やトイレのタイルなど滑りやすいところを滑りにくいものに変える工事

など車椅子での屋内の移動がしやすくするため工事したり、転倒の危険があるところを解消する為の工事が対象となります。

 

 

4.開き戸から引き戸など扉の種類を変える工事

  • 車椅子では開けにくい開き戸を引き戸や折戸、アコーディオンカーテンなどに変える工事
  • 握力が弱くなるなどでドアノブが回しにくくなったときに、つかみやすいレバーハンドルに変える工事
  • 開けるのに力が必要な扉に戸車を設置して開けやすくする工事

などの工事が対象となります。

ただし自動ドアなどは地域により対応が異なる場合があるので、注意が必要となります。

 

 

5.和式便器などからの便座の取替え

  • 和式便器から洋式便座に取り替える工事

のような、負担の少ない便座への取替え工事が対象となります。

和式便器からの交換であれば通常の洋式便座ではなくウォシュレット付洋式便座などへの交換も対象工事となっているのですが、既に洋式便座である場合そこからウォシュレット付洋式便座などに取り替える工事は対象外となっています。

 

 

その他対象工事になる場合

  • 手すりを壁に取り付けるときに、壁の強度が足りないからと補強工事をしなければならなくなった
  • 浴室の床を底上げするために、配管工事をしなければならなくなった

というような対象の工事を行う為に必要となった工事に関しては、介護保険の住宅改修費の支給の対象工事でなくても対象となります。

 

 

住宅改修費の支給は費用総額が20万円まで

介護保険の住宅改修費の支給の対象工事だけであっても、全ての費用が対象となるわけではありません。

費用総額に上限が設定されており、総額20万円までの工事が対象となっています。

この上限を超える工事を行うことも出来ますが、その場合は20万円を超える部分は全額自己負担となります。

介護保険サービスを受ける上での一定限度額の支給は要介護度・要支援のレベルによって限度額が異なりますが、住宅改修費の支給はレベルにかかわらず20万円で固定されています。

 

この20万円の範囲内であれば複数回工事を行っても問題なく

最初に和式から洋式への便器の交換工事を10万円で行ったけど、その後手すりをつけたくなって5万円で手すりの取り付け工事をした

という場合両方の工事で支給を受けられますし、次に行う対象の工事でも5万円の範囲内に関しては支給を受けられます。

またこの費用総額20万円というのは自己負担額ではなく工事にかかった費用となります。

 

 

住宅改修費支給の自己負担額は1割~2割

介護保険の住宅改修費支給を利用する場合、例え限度額20万円以下の工事であっても自己負担額が0円になるわけではなく1割~2割の自己負担があります。

これは他の介護保険のサービスでも同様で、多摩市の場合

  1. 65歳以上で前年の合計所得金額が160万円以上の方
  2. 前年の年金収入と前年のその他の合計所得金額の合計が280万円以上(同一世帯に65歳以上が1人の場合)、または346万円以上(同一世帯に65歳以上の方が2人以上の場合)

の2つの基準を満たした方が2割負担となります。

 

住宅改修費支給の上限が工事費用20万円なので

  • 自己負担額が1割の場合は最大18万円
  • 自己負担額が2割の場合は最大16万円

の支給が受けられるということになります。

 

 

20万円を超える工事の場合はどうなるの?

便器をウォシュレット付洋式便座に取替え、浴室の床を底上げしトイレ・浴室に手すりを取り付ける工事をしたけど30万円かかってしまう…

本人の要望を全て答えようとすると、20万円を超える工事費用になってしまうことがあるでしょう。

そのような場合でも住宅改修費の支給を受けることは出来ますが、20万円を超える部分は完全自己負担となります。

その為自己負担額が1割で30万円の工事費用となってしまった場合

20万円に関しては自己負担額1割の2万円となりますが、超えた10万円に関してはそのままなので合計12万円の負担となります。

 

 

このような場合は再度住宅改修を受けられる!

介護のために母と同居することになったけど、うちは実家と違って手すりがないけどどうしよう…
要支援認定を受けて便器の取替えと手すりの取り付けをしたけど、介護度が重くなって車椅子生活になったから和室を板の間にしたい…

終の住み処(ついのすみか)のつもりで住宅改修費の支給を受けて実家をバリアフリーにしたけど、状況が変わってしまって再度工事が必要になるということもあるでしょう。

 

介護保険の住宅改修費支給は一つの住宅につき20万円の対象工事となっていますが、1度しか使えないわけではありません。

  • 別の住宅に転居した
  • 初めて住宅改修に着工した時点での介護度から3段階以上(例:要支援1⇒要介護3)重くなった

という場合に関しては、再度20万円までの対象工事で支給を受けることが出来ます。

 

 

介護保険で住宅改修費の支給を受ける為の手続き

よほどのことがない限り、「昨日この工事をしたから改修費の支給をお願いします」と突然市区町村に申請をしても、介護保険の住宅改修費の支給を受けることは出来ないでしょう。

住宅改修費の支給を受けるの書類にはケアマネージャーなどに書いてもらわなければならないものもありますし、どのような工事をするのか「事前申請」する必要があるのです。

実際の手続きの流れとしては

  1. 住宅改修についての相談をケアマネージャーなどにする
  2. 保険者(市区町村)に申請書類を提出し事前申請をする
  3. 事前申請に対する許可が出たら、施工開始
  4. 施工終了後住宅改修費の支給申請

となっています。

市区町村によって書類や条件などが異なる場合があるので、事前に確認するようにしましょう。

 

1.住宅改修についての相談をケアマネージャーなどにする

居宅サービスなどでケアマネージャーと契約をしている場合はそのケアマネージャーに、契約しているケアマネージャーがいない場合は地域の高齢者あんしん相談センターに、どのような改修をするかなどについて相談するようにしましょう。

介護で必要になるか否か、制度で支給を受けられる工事かどうかなどを相談した方がいいということもありますが、事前申請するときに必要な「住宅改修が必要な理由書」はケアマネージャーなどが作成する必要があるからです。

 

 

2.保険者(市区町村)に申請書類を提出し事前申請をする

ケアマネージャーなどに相談し改修工事の方向性が決まり「住宅改修が必要な理由書」を書いてもらったら、他の書類も準備し市区町村の介護保険課に提出します。

提出する申請書類としては

  • 申請書
  • 住宅改修が必要な理由書(ケアマネージャーなど作成)
  • 見積書
  • 改修前の写真及び図面(平面図と立面図両方必要)
  • カタログ(コピー)

となっています。

また

  • 子供の家に同居しているなど本人の所有する住宅ではない場合「住宅改修の承諾書」
  • 支給方法を償還払いとし本人ではなく家族の口座を選択する場合「住宅改修の委任状」
  • 生活保護を受けている方の場合「生活保護受給証明書」

などが必要となります。

 

 

3.事前申請に対する許可が出たら、施工開始

事前申請を行った後、書類の不備などがなく改修内容が適切であると判断されれば住宅改修費確認通知書などが送付されます。

この通知が届いてから施工業者に施工してもらうようにしないと、もしも却下された場合は全て自己負担となってしまうので注意しましょう。

書類が送付されるときに住宅改修が必要な理由書の記載をしてもらったケアマネージャーなどにも通知されるので、手元に書類が到着していることをケアマネージャー側は把握しているので安心してください。

 

 

4.施工終了後住宅改修費の支給申請

改修工事が終了した後は、理由書を記載してくれたケアマネージャーなどと共に状況を確認しましょう。

受領委任払いの場合はその場で自己負担分のみの支払いですが、償還払いで申請した場合は一度改修費を全額支払う必要があります。

改修費を支払った後に改修費の支給を受けるために、必要書類を市区町村の介護保険課に提出します。

必要書類は

  • 申請書
  • 領収書
  • 工事後の写真
  • 請求書

となっています。

 

 

工事費用を最初に支払わなくちゃいけないの?

介護保険の住宅改修費支給には、償還払いと受領委任払いの2種類が存在します。

償還払いを選択した場合には一度改修費の全額を支払う必要があり、施工終了後に申請をすることで自己負担額を除いた額が給付されます。

受領委任払いを選択すると、病院などの受診料と同様に支払いの段階で自己負担額のみを支払うことになります。

 

 

受領委任払いを利用する為には

受領委任払いを選択するためには、市区町村で登録されている業者に施工を依頼する必要があります。

多摩市などでは市のHPで受領委任払い登録業者一覧を確認できるようになっていますし、記載がない自治体でも登録業者がないということはないと思われますので、問い合わせるようにするといいでしょう。

 

 

住宅改修の申請書はどこで手に入れるの?

多摩市を含め多くの自治体ではHP上で事前申請に必要な書類をダウンロードできます。

もしダウンロードできない場合は、お住まいの市区町村の介護保険課窓口に問い合わせるといいでしょう。

 

 

介護保険以外の住宅改修に関する給付制度

介護保険の住宅改修費支給だけでは20万円までしか改修工事が出来ませんが、高齢者が実家で住み続ける為の住宅改修を補助してくれる制度として高齢者住宅改造費助成というものが存在します。

高齢者住宅改造費助成はおおむね65歳以上で介護保険に準ずる虚弱な方を対象として、浴槽をまたぎやすい低いものに変更など本人が安全に生活を続ける為の住宅改修の費用を補助する制度です。

補助の金額は回収内容によって異なりますが、介護保険の住宅改修費支給と異なり自己負担額は1割で固定されています。

 

介護保険の住宅改修費支給と併用が可能で、その場合は介護保険の住宅改修費支給が適用できる部分はそちらが優先されます。

高齢者住宅改造費助成で住宅改修をする場合事前に市に相談する必要がありますので、焦って先に工事をしないようにしましょう。

また65歳未満で第2号被保険者として要介護認定を受けた場合は高齢者住宅改造費助成の対象とはなりませんが、要件を満たせば重度障がい者住宅設備改善の給付が受けられる可能性があります。

 

 

実家で生活しているのが本人だけなら空き家対策も必要になるかもしれません

現在親が実家で暮らしやすくなるように住宅改修を検討している方の中には、実家に親が1人で暮らしているということはないでしょうか?

もしもあなた方子供が全員自立して自宅を所有しているか、賃貸でも遠い地域で生活している場合は「実家が空き家になったから私が住もう」ということは難しいでしょう。

実は国土交通省の平成26年空家実態調査によると、空き家を所有する人の過半数(52.3%)は相続が原因だということです。

 

売買や賃貸などの契約行為は認知症などにより意思能力がなくなってしまうと行えなくなってしまいますが、足が悪いなどが原因で意思能力があるのであれば要介護認定を受けていても相続対策は出来る可能性が高くなります。

売却を考えているわけでなくても空き家になった後誰が実家で暮らすか、どう残していくか等を話し合うことは、10年後20年後に空き家の維持が負担となる・荒れ果ててしまうといった状況を防ぐ為には重要になってきます。

一度家族で集まって話し合っても誰も住むことが出来ず「空き家となってしまうときにどうすればいいのだろう」と悩んでしまったときは、相続と不動産両方に造詣の深い専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

 

相続サロン多摩センターには宅地建物取引士の資格を持つ不動産のプロであり、日本相続コンサルティング協会の公認相続コンサルタントでもある不動産と相続両方に造詣の深い専門家が在籍しています。

最近注目が集まる民泊など、処分せず出来る限り実家を残したままにする方法を含めてあなたに最適な提案をすることが出来ますので、是非ご相談ください。

相続サロン多摩相談センターへの相談はこちらからどうぞ

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